「岸田首相はすでに腹をくくった」と言える理由 23年前半の岸田内閣の前途と日銀人事を考える

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政治日程はこのようになっている。

〇2023年上半期(1~6月)の主要日程
1月 通常国会召集(下旬、会期150日)
2月 自民党大会(26日)
3月 雨宮、若田部日銀副総裁の任期満了(19日)
4月 子ども家庭庁設置(1日)
  黒田日銀総裁が任期満了(8日)
  統一地方選挙第1陣(道府県首長、議員)(9日)→北海道、神奈川、大阪など 
  G7外相会合(軽井沢、16~18日)
  統一地方選第2陣(市区町村首長、議員)&衆院補欠選挙(23日)
  →山口4区(安倍晋三氏)と和歌山1区(岸本周平氏)
5月 G7財務相・中央銀行総裁会議(新潟、11~13日)
  G7首脳会議(広島、19~21日)
6月 通常国会会期末(下旬)

「広島市選出政治家」が広島市でG7サミットの快挙

そしてG7の議長を務めるのは、3代続けて広島を選挙区とする政治家の家に生まれた岸田文雄首相なのである。ご本人の思いの深さはいかばかりだろうか。

岸田さん自身は、東京都渋谷区の生まれである。親の仕事の関係で、小学校時代は前半をニューヨークで、後半は麹町小学校で過ごしている。岸田さんの広島への思いは、核廃絶問題への思い入れから「広島風お好み焼き」Loveまで、掛け値なしに深い。

銀行員時代に夜の街で部下が絡まれたときに、岸田さんが「許してくれんかのぅ」と広島弁で凄んだら、相手がひるんでことなきを得た、なんていうエピソードもある。とはいえ、どこかちょっと「無理してる感」があることは否めない。

それでも地元・広島の岸田支援は熱い。広島と言うと、有力政治家を大勢輩出しているイメージがあるけれども、池田勇人首相は竹原市、宮澤喜一首相は福山市、宏池会の偉大なる先輩たちは県東部の出身なのである(ちなみに亀井静香さんは庄原市だ)。

広島市選出者の総理大臣を探すと、戦前の加藤友三郎海軍大将まで遡らねばならない。人口120万の大都市、広島としては何とも不思議な空白なのである。そこに久々のご当地選出の総理が、なんとG7サミットを地元に持ってきてくれるのだ。

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