戦国武将は、なぜ雑草を家紋にしたのか

アオイ、ナズナ、ツタ…地味すぎモチーフの謎

また、かたばみ紋は、徳川四天王の酒井忠次が家紋としている。カタバミは、抜いても抜いても種を残して繁茂していく。戦国武将はそこに子孫繁栄の願いを込めて家紋にしたのだという。

下克上大名にふさわしいツタの家紋

戦国時代は下克上の時代でもある。

たとえば、斎藤道三も代表的な下克上大名だ。「美濃のまむし」と恐れられた道三の用いていた家紋が、なんとかわいらしい「ナデシコ」なのである。

平安時代、唐から伝えられたナデシコは唐なでしこと呼ばれた。

唐なでしこは、別名「セキチク(石竹)」ともいう。セキチクが岩場に生えて竹のような葉をつけるからである。

中国の言い伝えでは、ある武将が虎と間違えて岩を矢で射たところ、岩に矢が刺さり、セキチクになった。この故事から、セキチクは武道の精神を表すとして、武家に好まれたのだそうだ。

また、下克上大名のひとりに、松永久秀がいる。この久秀の家紋はツタ(蔦)である。ツタは自立しないでほかの植物にからみつき、背を伸ばしていく図々しい植物である。

普通の植物は、自分で立たなければならないので、茎を頑強にしていく必要がある。それには多大なエネルギーがいる。

ところがツタのようなつる草は、ほかの植物にからみつくため、自分で立つ必要がない。茎も頑丈にする必要はない。その分、余ったエネルギーを、つるを伸ばすことに使えるのである。だから伸びるのが早い。

巻き付かれた植物のほうはたまったものではない。ツタに覆われて陽の光も十分受けられなくなり、枯れてしまうこともある。

なるほど、ツタの生き方は、いかにも下克上大名にふさわしいと納得した。

(イラスト:岩尾 恵都子)

関連記事
トピックボードAD
人気連載
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • いいね!

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※週間いいね数のランキングです。

トレンドウォッチAD
これから伸びる中学・高校<br>大学入試改革で激変!

2020年にセンター試験廃止。新テストでは知識の暗記は通用せず、思考力が試される。子どもを行かせるなら、私立進学校か、名門公立か。これからの学力を育てる学校を一挙紹介。