ホンダ「ZR-V」対日産「エクストレイル」SUV対決 ハイブリッドSUVの内外装から走りまでテスト

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つまり、e:HEVは、日常の走行シーンのほとんどを走行用モーターで駆動し、高速走行などではエンジン駆動に切り替えるシステムで、エンジンとモーターそれぞれの得意分野を活用することで、燃費性能を高める効果を実現する。

ヴェゼル
ホンダのコンパクトSUV「ヴェゼル」(写真:本田技研工業)

従来から、e:HEVを搭載するホンダSUVには、ヴェゼルがあり、基本的機能は同じだ。ただし、ヴェゼルが搭載する4気筒エンジンは1.5Lで、シビックe:HEVと同じパワートレインを採用するZR-Vのほうが排気量は大きい。ヴェゼルe:HEVのエンジンが最高出力‪106‬ps/‪6000~6400‬rpm、最大トルク13.0kgf-m/‪4500~5000‬rpmなのに対し、ZR-Vのエンジンは最高出力‪141‬ps/6000rpm、最大トルク18.6kgf-m/4500rpmとよりパワーやトルクもある。また、走行用モーターの最高出力もヴェゼルが131ps/‪4000~8000‬rpmなのに対し、ZR-Vは184ps/5000~6000rpmを発揮するため、より余裕の走りを実現する。

ホンダによれば、「ハードと制御ソフトの両面で進化させることによって、従来のe:HEVに対して燃費、排出ガスクリーン性能、静粛性を向上させるとともに、3.0L・V6エンジンに匹敵するモーターならではの力強い加速を実現」しているという。実際に2モデルを乗り比べてみると、とくに静粛性という点では、ヴェゼルに比べZR-Vはかなり優れている。パワーやトルクにより余裕があるためか、加速時などにエンジン回転数がヴェゼルほど上がらず、EV走行からハイブリッドモードに切り替わる際も、エンジンが始動したことがわからないほど静かな走りを実現している。

エクストレイルのハイブリッドシステム

走行イメージ
エクストレイルの走行イメージ(写真:日産自動車)

一方、エクストレイルのハイブリッドシステムには、エンジンで発電し、モーターで駆動する独自のシリーズハイブリッド「e-POWER」を採用する。「ノート」や「セレナ」など従来のe-POWER車では、発電用エンジンの排気量は1.2Lだったが、新型エクストレイルには、初の1.5L・3気筒エンジンを搭載。また、走行状況に応じ圧縮比を8.0~14.0まで可変させる「VCターボ」を採用することで、常用域から加速時までエンジン回転数を抑え、高い静粛性を実現する。

さらに4WD車には、前述したe-4ORCEを採用する。前後に搭載した高出力モーターや左右のブレーキを統合制御することで、走行状況などに応じ4輪の駆動力を最適化するシステムだ。市街地走行などの日常使いはもちろん、雪道や山道などでも高い走破性を発揮し、あらゆるシーンや路面状況において、安定して快適な乗り心地を実現する。

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