増加する「MBA受講生」学生が悩む"取得する価値" キャリアアップに繋げるための2つのポイント

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つまり「経営学のお勉強」ではなく、「経営の実践の疑似体験」として捉えるべし、ということです。

何もお勉強だけしたいのであれば、ちまたによい学習本はあふれていますし、もっというとMBA過程で使われている教科書なんかはアマゾンでもなんでも手に入るものだったりしますから、そういったものを駆使してお勉強すればよいのです。

ただ、それだけだとやはり実際に生かすことはできませんし、経営のお勉強をしただけで経営ができるわけでも決してありません。

であるからこそ、学びを通じて自分の思考の癖の理解を含め、しかるべき思考回路を身につけ、実際のケースに応じて「応用につなげる」ことを意識する、ということが大切になってくるのです。

お勉強的に知識を詰め込んで学ぶのではなく、経営にかかわるあらゆる側面を体系的に理解し、そのうえでしかるべき意思決定につながるような考え方を学ぶ、という感じでしょうか。

そのような前提であれば、MBAもようやくキャリアアップにおける武器につながりうる、ということです。

リターンを最大化できるかは自分次第

繰り返しですが、お金も時間もかかるMBAの価値、つまりリターンを最大化できるか否かは自分自身にかかっています。

そのような考え方で、ご自身の目指すキャリアにおけるMBAの位置づけと使い方を整理したうえで、本当に価値があるものなのかどうかを今一度考えるべきかと思われます。

KTさんがそうしたスタンスで周りの声に惑わされることなく、自分自身にとっていちばんと思える意思決定を下されることを応援しております。

安井 元康 『非学歴エリート』著者

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やすい もとやす / Motoyasu Yasui

MCJ社長兼最高執行責任者(COO)。アニメーションの企画・制作を手掛けるベンチャー企業を経て、MCJにて東証への上場を経験。その後、経営共創基盤にて戦略コンサルタントして9年間活躍し、2016年3月にMCJに復帰。著書に学歴コンプレックスに悩みながらも独自の方法でキャリアを切り開いてきた様子を描いた『非学歴エリート』(飛鳥新社)や、自分ならではの人生を生きる術を描いた『極端のすすめ』(草思社)等がある。

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