東日本大震災、透析クリニックが直面する課題、都内の事情

東日本大震災、透析クリニックが直面する課題、都内の事情

東日本大震災では電力やガソリン供給の不安定化によって、東京でも、人工透析を行っている医療機関に緊張感が走っている。

東京・品川区内にある品川ガーデンクリニック(若井陽希院長)。人工透析用ベッド18床を持ち、慢性腎不全の患者45人が週3回、透析のために訪れている。

透析クリニックにとって、最大の問題は電力の確保だ。通院透析は1人につき1回3~4時間、週に3回行う。ベッドは1日を3つの時間帯に分けて稼働させている。その際、大量の電力や水道水を使用する。同クリニックの透析機械には停電の際にも使用できるバッテリーが内蔵されているものの、バッテリーの能力は血液を循環させるだけの役目で精いっぱい。
 
 「突然の停電になった場合、十分な治療を行えなくなるおそれがある」と若井院長は懸念する。

現在、東京電力は地域を区切って、輪番による「計画停電」を行っているが、「計画」とは言うものの抜き打ちに近いのが実態。若井院長は、前日の夕方5時から当日午前3時まで東電のホームページやテレビニュースを1時間置きにチェックする日々が続いている。万が一に備え、看護師1人が診療所内に泊まり込むことにもなった。

「停電で1週間に1回しか透析ができなくなった場合でも、患者さんは1カ月くらいであれば、水分摂取や食事制限、服薬でしのぐことはできる。ただ、まったく透析ができなくなった場合、生命に影響しかねない」(若井院長)。
 
 甚大な被害を受けている震源地付近以外では、現時点ではここまで深刻な状況になるとは考えにくいものの、慎重な対応が求められる状況となっている。

品川ガーデンクリニックにとって、もう一つの大きな問題が業務用自動車に必要なガソリンの確保だ。同クリニックは「在宅医療と腎不全医療の協調」(若井院長)を標榜。通院困難であるが、在宅での療養を希望する高齢の透析患者に対し、ワゴン車2台および軽自動車1台を用いて、患者宅との送迎を行ってきた。

だが、今回の震災で肝心のガソリン調達に困難が生じている。

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