太陽電池製造装置ベンチャーのエヌ・ピー・シー、全員一致経営で先手打つ下町企業の実力

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太陽電池製造装置ベンチャーのエヌ・ピー・シー、全員一致経営で先手打つ下町企業の実力

「今は空前の繁忙期」。太陽電池製造装置のベンチャー、エヌ・ピー・シーの隣良郎(ちかきよしろう)社長はこう語る。

主力の愛媛・松山工場は、フル稼働状態にある。仕掛かり製品が所狭しと並び、作業員の足場を確保することにさえ四苦八苦する。そのため、4万2000平方メートルの同工場敷地内に新棟を建設中。総額20億円を投資し、9カ月の間に3棟を一気に建てる算段だ。すでに1棟は昨12月に操業を開始した。残りも今3月と8月に稼働する。すべてが稼働すれば、生産能力が75%アップする。

受注急増で業績も好調。今2011年度は売上高が前期比62%増の243億円、営業利益が同145%増の22・8億円になる見込み。人手が足りないため、毎月平均して工場作業員10人、営業担当者5人を新たに雇い続けている。1992年の創業時には社員15人の町工場でしかなかったが、今や500人を抱える企業に成長した。

世界が注視する臨機応変の生産システム

東京・南千住。細い路地に沿って、古い民家や商店が立ち並ぶ下町。この一角に、同社は本社を構える。

3階建ての小さな社屋とは対照的に、業界での存在は大きい。太陽電池モジュール製造ラインの主要装置を手掛け、この市場で世界シェア57%を握る。展開する主な装置は四つ。太陽電池セルを保護シートや封止材で挟み密着させる「真空ラミネーター」、配線をはんだ付けする「セル自動配線装置」、セルの出力を検査する「セルテスター」、そしてパネルの出力を検査する「モジュールテスター」。特に、真空ラミネーターで70%超の高いシェアを持つ。

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