企業が食指を動かす「無人AIアバター」本当の実力 「メタバース」の商業利用を考える人々の思惑

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メタバースの仮想空間内で、商品・サービス内容の紹介や、会場のアテンドをしてくれるAI音声対応アバター「AI Avatar AOI」(エーアイ アバター アオイ)。無人で動かすことができる(筆者撮影)
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メタバースを構築するうえで欠かせないものがある。CGで描かれた仮想空間=ワールドと、その仮想空間内で動くアバターだ(NFTとブロックチェーン技術もメタバースに必須と語る人と出会ったら、何かしらのポジショントークだと判断したほうがいい)。

限りなく自由なメタバースの世界

メタバースで使われるワールドが自然界における物理現象にはとらわれずに、重力も構造体もなにもかも自由に作れるのと同じく、アバターも自由だ。自分の写真から生成したフォトリアルなアバターもあれば、イラスト、アニメ調のアバターもある。人間をモチーフとしたものだけではない。メタバースにはロボットアバターも動物アバターも多数存在する。なかには自動車や花輪、玄関マットといった3D CGもアバターとして使われている。現実世界でファンタジー物語に登場するエルフのような長耳をつけた人がいれば近所でコスプレパーティーでも開かれているのだろうかと考えてしまうが、メタバースにおいて自己を投影する姿に限りはない。現実の自分とは異なる、好きな姿を身にまとうことができるのもメタバースなのだ。

そんなアバターについて、メタバースの商業利用を考える一部の人々には「人が操作しなくてはならないのなら、人件費がかかる」という懸念があるようだ。筆者自身、小売店ビジネスをメタバースで展開したいという経営者から、「普通のECサイトのように、店員を雇わずに商品を登録したら放置しておくことはできないか」という相談を受けたことがある。

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