「自動運転車」のカギを握る町工場の正体 GPSがない場所も自動走行できる技術を開発

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ZMPが手掛ける「RoboCar HV」(写真提供:ZMP)

ZMPは従来、2足歩行ロボットを造っていた。だが、2007年に移動機能付き音楽プレーヤーを手掛けたことで、自動運転技術に目覚めた。

移動を自動化するビジネスに成長性があると見て、2009年に自動運転車「RoboCar」を開発。現在は自動車メーカー向けに開発ツールを提供する傍ら、トヨタ自動車の「プリウス」などを自動運転仕様にして販売する。

事業規模も拡大している。売上高は公表していないが、「2014年12月期は前年比で50%程度増えた」(創業者の谷口恒社長)。もっとも、「売り上げは倍にもできた。ただ今は、数年先を見据えて、生産よりも開発に集中している」。

ヘルスケアや農機への進出も狙う

その言葉どおり、今後はSLAM技術をテコに事業領域を拡大する考えだ。

今年中に自動走行できる台車「CarriRo」を発売するほか、ヘルスケアや農機分野へも進出する計画。コマツとは建設・鉱山機械の自動化を進めるとしている。

“本業”の自動運転車開発でも、自動運転システムを自ら生産することをもくろんでいる。谷口社長は「今の自動車業界は完成車メーカーを頂点とするピラミッドができているが、下請けではなく、対等に付き合えるポジションを築きたい」と意気込む。

無人タクシーの展開にも意欲を見せる。障害者や高齢者のニーズが高いと見ており、複数の地方や海外の自治体が関心を寄せているという。

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