なぜ工藤監督は、茶髪もガムも禁止するのか メジャー帰りの松坂投手も特別扱いしない

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2013年からニューヨーク・メッツに所属も、昨年の2014年シーズンは3勝止まり。オフにフリーエージェントになってソフトバンク入りした。

松坂にとっては9年ぶり日本球界復帰で復活のかかったシーズンだが、プロ野球OB評論家諸氏が下した評価は芳しくないものばかりだ。

3月4日の阪神とのオープン戦では、1998年横浜高で春夏連覇を達成した甲子園球場での実戦初登板になった。3回4安打無失点にまとめたが、全盛期MAX156キロの投球はすっかり鳴りを潜める内容だった。

「2人きりで話をしたことは1度もない」の真意

そこで、12球団唯一の投手出身、工藤監督による〝松坂再生法〟が耳目を集めているが、本人の口を突いて出たのは「松坂と2人きりで話をしたことは1度もない」と、ここでも意外な事実だった。

「もがけばいいんです。もがいて、もがいて。周囲があれこれ言われるけど、本人が一番わかっていますから。もちろん聞かれれば話すが、あれほどのピッチャーなんだから、任せるしかない。今年活躍するかもしれないし、来年かも。その答えをだすのは自分だから、自分ではい上がってくるしかないんです」

そして、工藤監督は「最後はわたしが責任をとりますから」と言い切った。その短い言葉に、同じ〝エース〟として君臨した男の、松坂への期待がにじむ。
 

寺尾 博和 日刊スポーツ新聞社大阪本社編集委員

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てらお ひろかず / Hirokazu Terao

てらお・ひろかず 日刊スポーツ新聞社大阪本社編集委員。阪神、近鉄、南海、ダイエーなどを担当、野茂英雄のメジャー行きから現地に派遣される。2004年球界再編を取材、2008年北京五輪、09年WBCなど国際大会などで日本代表チームのキャップを務める。現在は主に東京五輪での野球ソフトボール復活を取材中。ミニストップ社とコラボでオリジナルスイーツ作り、オリジン社と弁当開発を手掛けて全国発売するなど、異色の名物スクープ国際派記者。大体大野球部出身。福井県あわら温泉生まれ。趣味はスポーツ、歌舞伎、舞台鑑賞。毎週木曜日にABC朝日放送「おはようコール」のコメンテーターとしてレギュラー出演。

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