くら寿司、「最高益の秘密」はサイドメニュー 年に1000以上のメニューを試作
回転すし大手の「くら寿司」を展開するくらコーポレーションが、連続最高益の更新に向けて絶好のスタートを切った。3月4日に発表した2015年10月期の第1四半期決算は、売上高254億円(前年同期比8.8%増)、営業利益14.7億円(同27.7%増)の好決算だった。会社が掲げる前期比3.5%増の純利益31.4億円の計画は控えめに見える。
柱のすしで、まぐろ、かに、ふぐのフェアが効果をあげたこともさることながら、ラーメンやコーヒー、デザート類といったサイドメニューの貢献も大きい。1皿100円のすしに比べると、300円台のラーメンなどサイドメニューには高単価のものも多い。サイドメニューの拡充、浸透に歩調を合わせ、この1月まで客単価は26カ月連続して前年同月を上回って推移し、1000円強にまで達した。
すし店らしからぬメニューが並ぶ
「熟成まぐろ」や「宇和島産のみかんぶり」といったオリジナルのすしだけでなく、くら寿司では「イベリコ豚丼」「揚げたて豆乳ドーナツ」「イタリアンティラミス」など、およそすし店らしからぬメニューも並ぶ。
これは創業者でもある田中邦彦社長の「安くておいしいだけでは飽きられる」との信念によるものだ。すしの新商品だけでなく、専門店に負けないサイドメニューの提供に努めることで、お客様にサプライズを与えて、喜んでもらう。この第1四半期に実施した「トミカ」「リカちゃん」「機関車トーマス」といった人気キャラクターとのタイアップも狙いは同じ。目指すのはすしを軸とした「食のテーマパーク」だ。
ただ、言うは易く行うは難し。くら寿司にしてもサイドメニューを本格投入したのは前々期の2013年10月期から。ここに至るまでには紆余曲折があったようだ。
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