44代アメリカ大統領、バラク・オバマ氏が語った自国への憂慮とこの先向かうべき道とは。
アメリカ合衆国初の黒人として第44代大統領(2009~2017年)を務めたバラク・オバマ氏が、9月初旬にボストンで開催された顧客管理プラットフォーム・HubSpot(ハブスポット)の年次イベントに登壇した。
ポピュリズムの台頭、蔓延する陰謀論、人種問題や銃規制、環境問題などに対する意見の対立――。アメリカの社会的な分断が臨界点に達している状況をオバマ氏はどう見ているのか。スピーチは、エリザベス女王の死去に際して過去にiPodを贈った話からあるべき民主主義の形にまで及んだ。約45分間の内容を一部抜粋し、日本のメディアでは独占でお届けする。
注:モデレーターは、ハブスポット会長兼創業者のブライアン・ハリガン氏。一部発言の編集も行った。
SNSの普及が加速させた分断
ブライアン:私が初めてあなたのスピーチを聞いたのは2004年、ここボストンでの民主党全国大会でのことでした。そのときあなたは「保守的なアメリカは存在しない、リベラルなアメリカもない。あるのはアメリカだけだ」と話していましたね。最近のアメリカの現状をどう見ていますか?
オバマ:そうですね、あの頃よりも社会の分断は明らかに深刻になっています。当時私が語ったアメリカ合衆国の姿には「そうあってほしい」という願望も含まれています。(民主党の地盤となる)青い州も(共和党の地盤となる)赤い州も、本来は一般にいわれる以上に共通項があるのです。
たとえば青い州で(共和党の地盤で人気な)野球のリトルリーグやアップルパイが好まれたり、赤い州で(民主党が支援する)ゲイの子どもが愛され、余った食べ物を寄付するフードドライブが行われたりすることがあるように、世の中は必ずしも一面的に理解できるわけではありません。
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