「非正規社員をたくさん雇う」トップ500社 1位イオン22万人超、労働集約型企業が目立つ

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イオンの店内レジの様子。セルフレジなど省力化も進めているが、現場を支えているのはアルバイト・パートだ(撮影:今井康一)

アルバイト・パートや派遣社員、期間従業員など、いわゆる「非正規労働者」の増加が続いている。総務省の労働力調査によると、日本の非正規労働者数は2014年11月に初めて2000万人を突破。全労働者に占める割合は約38%となった。10年前は30%前後だったが、右肩上がりの状況は止まっていない。

非正規労働者はどんな企業でどのように雇用されているのか。その実態を探るカギの一つが、上場企業が発行する有価証券報告書(有報)にある。有報にはいわゆる「非正規社員」が「臨時従業員」として規定され、その数が全従業員数の1割以上を占める場合、年間の平均人員を開示することが義務付けられている。

そこで、上場企業(金融を除く)の最新本決算(2013年11月~2014年10月期)と5年前の有報データなどから、非正規社員にかかわる3つのランキングを作成した。第1弾としては、「非正規社員をたくさん雇っている」トップ500社を掲載する。ここでは、非正規社員の絶対人数が多い会社を上位から並べている。

イオンとセブンに差がある理由

1位はイオン。言わずと知れた総合スーパー(GMS)最大手だ。日本中に張り巡らした店舗で働く従業員の6割以上は非正規社員であり、その数は実に22万人以上に上る。ダイエーをはじめ多くの流通企業をM&A(企業の合併・買収)で傘下に収めたり、大型ショッピングセンターを出店したりなどの陣容拡大を図っているが、それに伴って大量の人員を雇っている。

小売業界ではイオンと双璧を成すセブン&アイ・ホールディングスは3位。GMSのイトーヨーカ堂とコンビニエンスストア1位のセブン-イレブンを運営する企業だが、コンビニはオーナーに経営を委託するフランチャイズ(FC)経営が多いことから、雇用人員の絶対数はイオンと比べると大きくはない。ただ、それでも莫大な数の非正規社員を雇っている。

上位にはいわゆる大手、それも労働集約型の産業に属する企業の名前が多く見受けられる。ランキングには5年前の人数との増減率や非正規社員比率も併記した。トヨタ自動車や日立製作所、住友電気工業など、国際的に活動する大手メーカーは臨時従業員の絶対数は多いものの、比率で見るとそれほど高くはない。

一方で、小売りや外食などのチェーン店を大規模に運営する企業の場合は、非正規社員の比率が高い。非正規社員なしにはビジネスモデルが成り立たないことが読み取れる。 

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