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常態化する「異常気象」が農作物にもたらす大惨事 過去最大の干ばつ頻発、穀物生産は長期減少へ

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「過去最大の災害」が毎年更新される異常気象。食料への影響も深刻だ。

干ばつでひび割れた地面
フランスの干上がった湖。今夏、ヨーロッパでは「過去500年で最悪」と言われる干ばつに襲われた(写真:ロイター/アフロ)

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「ブドウが紫色にならなくなった」。全国有数の産地である岡山県岡山市でブドウの栽培・育種を手がける林慎悟さんが、気候変動の影響をはっきりと感じ始めたのはここ4~5年だという。

ブドウの果皮を紫色にするには、着色期である7~8月の夜間に適度な低温にさらす必要があるが、近年相次ぐ猛暑で色素の合成が阻害され、色づきが悪くなっているのだ。着色不良のブドウは見た目が劣り、出荷価格は半値~7掛け程度に下がってしまうという。

次ページ近い将来、過去最大の干ばつが頻発
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