岸田政権の「物価対策」、お金の使い方の大問題 国民の不満抑制に汲々とするが経済効果は?

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日本の岸田文夫首相が新内閣を任命
(写真:2022 Bloomberg Finance LP)

8月10日に発足した第2次岸田文雄改造内閣。15日に物価・賃金・生活総合対策本部の会合を開き、ガソリンや輸入小麦の価格抑制で追加策を講じるよう岸田首相は指示した。今秋編成の第2次補正予算に盛り込む構えだ。

ただ、補助金を出してガソリンなどの価格を人為的に抑えるやり方は直接的な物価対策になるものの、価格を通じた市場メカニズムを損ね、国民経済が変化に適応する能力を阻害する問題をはらむ。

例えばガソリンなら現在、本来の価格は1リットル当たり200円前後だが、それが補助金で同170円程度に抑えられている。国民が省エネを意識しガソリンの消費抑制に取り組むという機運を補助金がそいでいるのは間違いない。年初から緊急的な措置として始まったが、秋に2度目の延長となれば、省エネへの取り組みはほかの主要国より一段と劣後しそうだ。

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