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「安倍なきアベノミクス」はどこへ行くのだろうか 突然の銃撃事件に衝撃を受けたリフレ派の面々

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突然の事件に衝撃を受けたリフレ派の面々。安倍氏亡き後、どう勢力を維持していくのか。

2018年に再任された黒田東彦日銀総裁と安倍首相(当時)の会談(写真:毎日新聞社/アフロ)

米東部コネティカット州サジントン。イェール大学名誉教授の浜田宏一はこの小さな街の一画に住む。事件の一報を聞いたのは、時差の関係で現地時間7月7日の深夜だった。

日本メディアのニューヨーク特派員から告げられたのは、元首相の安倍晋三が銃撃されたというショッキングなニュース。安倍の経済政策、アベノミクスの立ち上げに深く関与したこの老経済学者はこう思ったという。

「米国では銃を使った暴力はよくあるけど、まさか日本で」

浜田によると、安倍と最後に会ったのは──正確にいえばオンラインでの対面だったが──雑誌の対談だった。

「アベノミクスをどうみるかとうテーマだったが、それが最後でした。安倍先生は経済学者よりも経済のことがよくわかっているときがあった」。政治家に対して「先生」と尊称をつける浜田はこう振り返る。

2012年秋、安倍から突然、「野田(佳彦)首相が、金融政策で経済を運営するのは非常識と言っているが、どうでしょうか」と国際電話を受けた。これがアベノミクスに関わる始まりとなる。

安倍を支えた二人

浜田と安倍は2000年代の初頭、内閣府経済社会総合研究所所長と内閣官房副長官という立場で知り合った。その後は年賀状のやり取り程度で、米国にまで電話がかかってくるとは予想していなかった。

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