「10歳少女レイプ中絶事件」フェイク騒動の顛末 真実をめぐって有力メディアも右往左往

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法廷審問で刑事巡査は、コロンバス警察が犯行を把握したのは6月下旬で、被害者が6月30日にインディアナポリスで中絶手術を受けたことも確認したと述べている。

インディアナポリス・スターとコロンバス・ディスパッチを運営するUSAトゥデイ・ネットワークで地方ニュースを統括するアマリー・ナッシュ氏は、両州の報道拠点が協力して事件の詳細を確認したと話した。そこには、公開可能な記録の調査なども含まれる。

「政治的に利用される可能性のある今回のような記事を出した場合、あのようなことが起こり、事実を疑問視する声にさらされるのは、大きな驚きだとは思わない」とナッシュ氏は語った。

バーナード医師のせいだと非難するメディアも

この件で論争に加わったメディアの中には、新たな事実に基づいて記事を更新したところもあった。ワシントン・ポストのケスラー記者は次のようにツイートしている。「レイピスト(強姦魔)が起訴されたため、記事を更新した。怒りのメールをたくさんいただいたが、ジャーナリズムは事実の積み重ねだ」。

一方、ウォール・ストリート・ジャーナルは14日付の社説で新事実に言及しながらも、国として中絶に関するコンセンサスを見いだすためには「中絶に関する話は論争のどちら側からも容易に確認できるものとしなければならない」と主張した。

バーナード医師に問題の焦点を合わせようとする動きもあった。共和党に所属するインディアナ州のトッド・ロキータ司法長官は13日夜、バーナード医師がレイプ被害と中絶の報告を怠ったかどうかを調査するとフォックス・ニュースで述べ、同医師はほかの件でも報告を怠ったことがあるとほのめかした。

だが、ニューヨーク・タイムズが14日に入手した文書によると、バーナード医師は必要な報告を行っていた。この文書を最初に報じたのはインディアナポリス・スターだ。バーナード医師の弁護士キャスリーン・ディレイニー氏は、同医師はロキータ氏も含め自身を「中傷」した人々に対する法的措置を検討していると声明で述べた。

(執筆:Katie Robertson記者)
(C)2022 The New York Times

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