アメリカの女子大生が「幕末日本」を学ぶ理由

日本社会、「ガラパゴス」が秘める可能性

アメリカの女子大生が、なぜイギリス・オックスフォードで日本を学ぶのか?
26歳でイギリスのケンブリッジ大学物理学部に留学し、博士号を取得、“Nature Materials”に論文を載せるなど物理学者としての実績を上げながら、現在はオックスフォードで近代日本社会の研究に取り組み、特に教育社会学を学ぶ。地元鹿児島では起業家として教育系NPO法人を設立中。本連載では、領域を超え多岐にわたって活動する30歳・岡本尚也氏が、英国2大名門校、いわゆ る「オックスブリッジ」での体験を基に英国流の「知」を語る! 私たちはグローバル化の時流の中で、何を学び、何を大切にするべきか?

 

 前回までは、ケンブリッジでの寄宿舎生活異分野交流の中に生まれる斬新な発想や、英国式の学び・研究の場のあり方を紹介してきた。今回は、私が今、オックスフォードで学んでいる「日本社会」について書いていこう。

私が所属しているオックスフォード大のNissan Institute of Japanese Studiesは1981年に名前のとおり日産がオックスフォード大に出資をして創設された現代日本社会について教育、研究を行う機関だ。現在15人ほどのスタッフと20人ほどの大学院生がいる。初めは、オックスフォードで日本社会について学べることに少しの驚きがあったが、このコースで学ぶにつれてその意義と重要性がよくわかるようになった。

まず、ここにはどのような学生がいて、彼(女)らがなぜ日本について学んでいるかひとりの学生に焦点を当てて紹介しよう。話を聞いたのはナタリア・ドーアン。利発という言葉がぴったり合う知的好奇心と学ぶ意欲にあふれたアメリカ人学生だ。

名門ヴァッサー大学で学び、日本へ!

彼女のプロフィールを簡単に紹介すると、1989年カリフォルニア州生まれ。バージニア州育ち。名門ヴァッサー(Vassar)大学で日本語を学び20歳で栄誉賞と共に卒業。在学中から日本へたびたび渡航し、東日本震災の復興支援プログラムであるキズナ強化プロジェクトやFuture Global Leadersプログラム、日本企業で働いた実績もある。昨年には、日本で学んだり働いたりしたい外国人向けに日本のことを紹介する“How to Work, Travel, and Study in Japan.”という本も出版した。今回のインタビューも、本人の希望により日本語で行うことになった。

彼女が日本に興味を持ったキッカケは、最先端の日本製のロボットだった。それから何かと日本のものが目に入るようになり、もっと知りたいという好奇心から日本語と日本文化・歴史を学ぶようになった。そしていつの間にか日本が大好きになっていった。なぜ日本が好きかと聞かれることが多い彼女は、理由をその都度、考えるが、それは言葉ではなかなか表しにくい。人を好きになる理由を明確に言えない感覚に近いのだという。

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