実は子どもに「恥をかかせている」絶対NGワード 知らずのうちにこんな言葉を使っていませんか

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だから子どもが、我慢強さ、行儀、衝動の抑制、共感などのスキルを養うべきだと気づいたら、そういう面の練習をさせることが、愛情深い親としての仕事になる。たとえうまくできそうになくても、その子らしさを無視して手を貸しすぎてはいけない。

居心地のいい場所から抜け出すように子どもを励ましたり、欠けている社会的・感情的スキルを身につけさせたりすることは、親の望みどおりに行動しないからといって恥をかかせることとはまったく違う。

繰り返すが、「恥をかかせない」というのは、子どもを甘やかすことや、新しい挑戦をやめさせることとは関係ない。重要なのは、子どもが本当の気持ちを親に見せられるようにすることだ。少し言葉を変える。そうすれば親は子どもの経験をそばで見守り、押し寄せる大きな感情と向き合う手助けができる。とにかく親は、子どもの「本当の姿」「ありのままの姿」を見守ることが大切なのだ。

親が知らずに子どもに恥をかかせる言葉

【知らず知らずのうちにしている子どもに「恥をかかせる言葉」】
恥をかかせる言葉
×「もう大きいんだから、欲しいものが手に入らないからって泣かないでちょうだい」
寄り添う言葉
○「あの自転車を買ってほしかったんだね。欲しいものが手に入らないのはつらいことね」
恥をかかせる言葉
×「友だちは誰も、自転車に乗るのを怖がってなんかいないだろう!」
寄り添う言葉
○「怖いだろうね? ずっと横を走ってるよ。だいじょうぶ、乗れるよ」
恥をかかせる言葉
×「そんな態度を取るなんて、どういうことだ?」
寄り添う言葉
○「まだパーティーから帰りたくなかったのね。わかるよ。やりたくないことをやらなきゃならないのは、いやなものよ」
ダニエル・J・シーゲル UCLA医科大学精神科臨床教授

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Daniel J. Siegel, M.D

CLAマインドフル・アウェアネス研究所取締役、マインドサイト研究所専務取締役も務める。ハーバード大学医学大学院卒業。『しあわせ育児の脳科学』(早川書房)、『脳をみる心、心をみる脳』(星和書店)、『子どもの脳を伸ばす「しつけ」』(大和書房)など、育児と子どもの発達に関する多数の著書があり、世界中で講演やワークショップを実施している。妻とともにロサンゼルス在住。

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ティナ・ペイン・ブライソン 児童青年心理療法士

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Tina Payne Bryson, Ph.D.

カリフォルニア州パサデナのザ・センター・フォー・コネクションの専務取締役として、子育てに関するカウンセリングや児童・青年のセラピーを行う。また、マインドサイト研究所の育児部門責任者も務める。南カリフォルニア大学で博士号を取得。『しあわせ育児の脳科学』(早川書房)と『子どもの脳を伸ばす「しつけ」』(大和書房)でダニエル・J・シーゲルの共著者となった。ロサンゼルス近郊に、夫と3人の子どもとともに暮らしている。

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