実は子どもに「恥をかかせている」絶対NGワード 知らずのうちにこんな言葉を使っていませんか

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あるいは、まだ効果的な勉強のしかたを学んでいないのかもしれないし、睡眠時間が足りずに、しゃきっと目を覚まして勉強する気力を保てないのかもしれない。

親としての私たちは、即座に判断を下して子どもに「なまけ者」などのレッテルを貼るのではなく、立ち止まって、子どもの内面で何が起こっているのかを考えるべきだと言っておきたい。

レッテルを貼ると、子どもの姿がはっきり見えなくなってしまう。それどころか、子どもは親のこういうカテゴリー分けや評価の使いかたを感じ取り、親にどう見られているかに基づいて、自分を形づくるようになる。人はみんな、他者が決めたカテゴリーの鏡を通して、自分のことを知っていくからだ。

のんびりした娘にしてしまう誤ったしつけ

愛情深い親でさえ陥りかねないもう1つの罠は、子どもに本来の個性とは別の個性を望んでしまうことだ。多くの親は、子どもには勉強好きに、あるいは運動や芸術好きに、さらにはきれい好きに、あるいは達成志向を持つ子になってもらいたいと願う。

しかし、もし息子がボールをゴールに蹴りこむことにまったく興味がなかったら?
あるいは、サッカーが得意ではなかったら?
もし娘がフルートを吹きたいとは思っていなかったら?
オールAを取ることが重要には思えなかったり、身体的な性別の役割に従うことに違和感を覚えていたりしたら?

子どもはそれぞれ違う個性を持っている。親が自分の望みやカテゴリー分けで認識をゆがめてしまうと、子どもの本来の姿が見えなくなる。

ときには、問題は単純に、親子の性格が合わないことにあるかもしれない。あなたはハチドリのようにすばやく動き回って、ぱっぱと効率的に仕事を片づけるのが得意かもしれない。けれども娘は、生まれつきもっとゆっくりしたペースでじっくりとものごとを進める。もしかすると、気が散りやすいのかもしれない。あるいは、ただ好奇心が旺盛で、周囲の魅惑的なあれこれを探索したいと思っているだけかもしれない。

ここで、あなたが親としてできることはなんだろう?「効率よく動くのは、ぐずぐずすることより明らかに優れている」のだから、娘を自分の小型版に仕立て上げる?

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