実は子どもに「恥をかかせている」絶対NGワード 知らずのうちにこんな言葉を使っていませんか

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そうではないはずだ。むしろ、いつものやりかたをいくらか修正する必要があるかもしれない。学校に行く支度に時間がかかってもいいように、娘を早めに起こすべきかもしれない。それとも、寝る前に本を読んであげるとき、質問や気晴らしの時間をつくる必要があるかもしれない。

ごくささやかな変更だが、子どものありのままの姿と世界との関わりかたがきちんと見えていないと、子どもをじゅうぶんに理解して、日常をどう変えれば親子の両方が生きやすくなるかは見えてこないだろう。

子どもの気持ちを無視する親の言葉

子どもの姿が見えていない最悪の接し方の1つは、子どもの気持ちを無視することだ。よちよち歩きの幼児なら、転んで泣いたときに「泣かないで。どこも痛くないでしょう」などと言ってはいけない。

あるいは、年長の子どもなら、ダンス教室の初めての集まりに行くとか、あなたにとってはなんでもないことをひどく心配しているかもしれない。あなたが「心配しないで。緊張する理由なんて何もないじゃない」などと言っても、きっと子どもは安心できないだろう。

そう、親は子どもを励ましたいし、そばにいて、だいじょうぶだとわからせてやりたい。しかしそれは、子どもの感情を否定することや、ばかにすることとはまったく違う。

だからかわりに、しっかり子どもを見守りたい。子どもが経験していることを見逃さず、そばにいて支えよう。

かける言葉は、似たようなものかもしれない。
「もうだいじょうぶだよ」とか、
「初日は誰でも緊張するものよ。慣れてくるまで、そばにいるからね」とか。

しかし、子どもを見守り、何を感じているのかに注意を払うことから始めれば、ずっと思いやりに満ちた対応ができるようになるだろう。そして、気持ちが伝わっていると子どもが感じられれば、あなたに心からわかってもらえたと思い、「自分の居場所がある」という感覚をいだける。

しかもたいていの場合、親が共感を伝えることで、子どもの心は落ち着く。愛と支えを示せば、子どもだけでなく、親も生きやすくなるのはよくあることだ。

【気持ちを否定するかわりに、子どもを見守る言葉】
×「心配しないでよ。緊張する理由なんて何もないじゃない!」
○「初日は誰でも緊張するものよ。慣れてくるまで、そばにいるからね」
次ページ子どもは親の言葉の意図を把握している
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