米海軍が発表!最新兵器「レールガン」の全貌 <動画>砲弾を200キロ先まで飛ばせる!

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レールガンという兵器を御存じだろうか。物体を電磁誘導(ローレンツ力)により、加速して撃ち出す装置のことだ。日本語では、「超電磁砲」などと呼ばれる。これは、昔からサイエンスフィクションでは定番の"想像上の兵器"だったが、ついに実在の兵器になった。2月4日、米海軍が科学技術エクスポで、レールガンを正式デビューさせたのだ。

レールガンは電磁エネルギーを使い、電気伝導体のレールに挟んだ物体を、磁場の相互作用を利用して空中にはじき出すもの。海軍研究所のプログラムオフィサーであるロジャー・エリス氏は、次のように説明する。

動画00分23秒~)「驚くべきことに、膨大な電気エネルギーを集中させ、電磁エネルギーを発生させ、物体をわずか10ミリ秒のうちにマッハ7まで加速します。これを可能にする、我々が開発した科学技術というものは、考えてみれば驚くべきものです」

200キロ先まで弾丸を飛ばせる!

レールガンは火薬を使う大砲と比べて、より速く、より遠くへ飛ばし、そしてより大きな打撃を与えることができる。既存の海軍の主力といえる5インチ砲の射程距離は13カイリ(約24㎞)。米海軍によると、レールガンの射程距離は110カイリ(約204㎞)。ちなみに、戦艦大和の主砲の射程距離は42㎞だ。

米海軍研究所長マット・ウィンター准将は、今後10年の内に米海軍の艦船にレールガンが搭載されるようになるだろうと語る。

動画01分03秒~)「これは、流動コンデンサーのようなものです。われわれが考えた未来の兵器を科学者が設計して、実現化する。今やボタンを押せば、エネルギーが取り出せる。そして弾丸を金属の砲身に入れて電気を流せば、電磁気力が発生し、弾丸を打ち出すわけです。こんなことができるようになるなんて、誰も思いませんでした」。

2016年からは統合高速輸送艦 (JHSV) で試験が行われる。レールガンが必要とする設置面積を削減することに、研究者が成功したことで実現したことが、その理由である。エリス氏は次のように説明する。

動画01分26秒~)「必要とするエネルギーを大幅に削減したのです。海軍の武器プラットフォームに無理なく載せられる大きさになりました」

ナレーションは英語です(音量にご注意ください)
東洋経済オンライン編集部

ベテランから若手まで個性的な部員がそろう編集部。編集作業が中心だが、もちろん取材もこなします(画像はイメージです)

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