50代の転身、経済の「ニッチ化」で大チャンス シニアの独立・転職を成功に導く7つのヒント

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ヒント7.「自分の人生の主人公」になって、イキイキと生きる

ヒント2で述べたように、自分の興味・関心を“熟成”させることに成功すれば、自分を売り込んでいける可能性が高まります。

では、どうすれば“熟成”は起こるのでしょうか。

独立・転職で成果を上げているシニアのみなさんは、興味・関心の中心から離れたり近づいたりした最初の職業人生を、“主体的にイキイキ”と生き抜いています。そしてこのことで、自分の興味・関心を“熟成”させることに成功し、独立・転職の成功を呼び込んでいるように見えます。

でも、「イヤな仕事、嫌いな仕事に当たってしまい、とてもイキイキとした職業人生を送れない」という方もいらっしゃるでしょう。

その場合は、どうしたらいいのでしょうか? 

まず、自分は本当にその仕事がイヤなのか、興味を持てるようにできないか、合理的に冷静に考える必要があるでしょう。さらにヒント5の“好運”も動員して切り抜けることを考えるのも必要でしょう。

しかし、それでもダメな場合は、そのイヤさ加減、嫌いさ加減にもよるでしょうが、その仕事を辞めて新たな“独立・転職”をするという道もあります。

実は、以上お話してきたことが、その“ススメ”になるかもしれません。

この見極めをするメルクマールは、その仕事を続けることが自分の興味・関心の“基(もと)”を断ってしまうか否か、という点にあると思います。

最後のヒントである、「イキイキと生きる」の前に、「“自分の人生の主人公”になって」とつけたのはこのためです。

たとえば、右肩上がりの経済が続き、規格大量生産型商品の市場が拡大している時代には、そこまで自分の興味・関心にこだわり、育てることに留意しなくてもよかったかもしれません。

しかし、日本経済が成熟化し、高付加価値化したニッチ市場に取り囲まれるようになった現在、興味・関心の基を断ってしまうような仕事からは距離を置くべきです。

それどころか、自分の興味・関心に沿った仕事でなければ、ヤル気・持続力・集中力・適性などの面からしても、成功はおぼつかないとさえ言えます。言い方を変えれば、現在は、よく言われるように「プロフェッショナルの時代」になっているのです。

そしてこれは、独立・転職を志すシニアだけではなく、幸福な職業人生を目指すすべての方に言えることなのです。

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大澤 信一 経済評論家

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おおさわ しんいち / Ohsawa Shinichi

経済評論家。1980年、東北大学経済学部卒業。コンサルティング会社などを経て、1995年から日本総合研究所に勤務。研究員として調査研究・コンサルティングに従事した後、2011年に55歳で独立。共著に『「団塊」退職で変わる経済 伸びるビジネス』などがあるほか著書多数。

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