子どもへの性加害、親が意外と知らない怖い実態 「優しいお兄さん」と思っていたら裏切られる事も

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そのうえで実際に会って「君が好きだ」などと言い、性的な行為を求める。子どもの側も加害者と「恋愛」していると信じ込み、被害者意識を持てないこともしばしばだ。

「実際は対等な恋愛関係が成立しているのではなく、大人が子どもを手なずけ、巧みに洗脳しているだけ。被害者は成長とともに自分が何をされたかに気づき、心に深い傷を負いかねません」と、斉藤氏は語気を強めた。

死角に行かない、子どもの話を聞く 親にできる予防策

子どもに防犯ブザーを持たせる、警察からメールで不審者情報を受け取るなど、被害防止のための対策を取っている親も多いだろう。しかし巧妙な加害者たちから子どもを守るために、やるべきことは他にもたくさんある。

斉藤氏によると、まずは近隣にある公衆トイレなど、『死角』になりやすい場所を子どもと共有し、行かないようにする。お尻など水着で隠れる部分は「プライベートゾーン」で、他人が触ってはいけないと教えることも、無闇に体に触る「怪しい大人」を見分けるのに役立つ。

加害者は、子どもが騒ぐと犯罪の発覚を恐れて、離れていくことが多いという。普段から大声を上げたり、防犯ベルを鳴らしたりする練習をしておくことも1つの手だろう。

さらに普段からなるべく子どもの話を聞くようにして、加害者を付け入らせないこと。万が一子どもが被害に遭った時、事実を隠さず打ち明けてもらうためにも重要だ。

また斉藤氏は「男の子の親の多くは、わが子が性被害に遭うかもしれないという認識が薄い。女の子と同じように警戒を」と訴える。男児は男性トイレを利用するなど、男性加害者にとって女児よりも狙いやすい。性別にかかわらずどんな子でも被害に遭う可能性があることを、肝に銘じておきたい。

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