あの「レブロン」を破綻に追い込んだ3つの変化 消費者ブランドはサプライチェーン混乱に弱い

拡大
縮小

大勢の消費者が購入する化粧品業界は今や、過去とは様子が異なる。ここ数年はリアーナや、カイリー・ジェンナーといった有名スターたちの化粧品ブランドがラインで登場し、ファンはそれらを直接購入できる。

ソーシャルメディアのスーパースターたちは、そこに商品すべてのカラーサンプルを載せ、レブロンが昔から商品を販売するのに頼っていたドラックストアを介さずに、インスタグラムやティックトックの何百万人ものフォロワーに自身の製品を宣伝販売してきているのだ。

サプライチェーン混乱の影響受けやすい

消費者ブランドは「負債を抱えすぎると苦境に陥ることがある」と指摘するのは、アリックスパートナーズの代表で、消費者業界の専門家であるデヴィッド・ガーフィールドだ。

消費者ブランドはまた、「サプライチェーンの大規模な混乱に対処できずに苦境に陥ることもある」という。「そこで問題なのは、悪循環に陥るおそれがあるということだ。つまりサプライチェーンの混乱は生産の遅れの原因となる可能性があり、それが小売業者への発送の遅れの原因となる可能性があり、さらにそれが棚のスペースを失う原因となる可能性がある。そして悪循環は繰り返す」。

アイシャドウ、ファンデーション、口紅などの製品を含む、カラー化粧品カテゴリーの大部分は、伸びを見せてはいるものの、パンデミック前の売り上げにまでは回復しておらず、2024年まで回復しない可能性があると、ジェフリーズのアナリストは予測している。

さらに、ニールセンとジェフリーズのデータによると、メイベリン、Nyx、E.L.F.といった化粧品ブランドはそれぞれ、前年比2ケタの売り上げ増であったのに対し、レブロンの伸び率は5.2%にとどまった。

次ページ消費者ブランドのさらなる困難が続く前触れ
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT