ペットを売らないペットショップが当然になる訳 動物愛護管理法の規制が年々強化されている

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筆者が訪れたペットショップは犬猫に関して「ペットを売らないペットショップ」となった(犬猫以外の生体販売は続けている)。ペットの中でも犬猫が特に厳しい規制を受けているという背景もあるが、この動きは今後も加速していくだろう。

実は4年前の2018年に筆者はこうした動きを紹介している。岡山市にあるペットショップ・シュシュ(chou chou)が「ペットを売らないペットショップ」として話題となっていたので、訪問記事を書いた(『犬を売らないペット店が岡山で人気の事情』2018年6月29日配信)。

岡山県、岡山市、倉敷市の動物愛護センター・保健所で殺処分を待っている犬を引き取り、里親探しをしている店だ。当時、なぜそんな商売が成り立つのかが不思議で同店を訪れた。

ペットの殺処分という「出口」の問題を解決するにはいのちの売買という「入口」の問題を考えていかなければならないということで、2015年春よりシュシュはペットの販売をやめ、無償での里親探しを始めたのだということだった。

ペットを売らずに稼ぐビジネスモデル

しかし、ペットショップは民間企業。利益を生み出さないビジネスはありえない。そのヒントは店舗にあった。シュシュの売り上げの4割はペット用品の販売、さらにトリミング事業が3割を稼ぎだし、残りの3割はグッズの通信販売ということだった。ペットを売らないペットショップとして話題になり、それを支持するペット愛好家たちが来店したり、通信販売で関連商品を買ってくれると聞いた。

当時は「ペットを売らないペットショップ」が珍しかったから話題となり、それがビジネスにつながっていたようだが、時代は変わっていき、ペットを売らないペットショップが当たり前の時代になっていくのだろうか。その時に「ペットショップ」が「ペットグッズショップ」として成り立つのか、あるいは廃業が相次ぐ事態となるのか。

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