規制が緩んだイタリアで「感染した日本人」の現実 マスクの着用義務解除の日から感染者が増加

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6月初旬、トリノの若者に人気のゾーンに集まる人々(筆者撮影)
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ロシアのウクライナ侵攻が始まって以来、地続きのイタリアでは人々の頭の中は戦争一色、コロナのことはすっかり忘れ去られてしまったようだった。実際、欧州でいち早くコロナ関連の規制を解除したイギリスやオランダから、まだ怖がってるの? もう弱毒化したコロナなんて忘れて前に進もうよ!という空気が流れてきていた。

レストランでは着席中は以前からノーマスクOKだったが、今では立ち歩いている人、スタッフもマスクは不要だ(筆者撮影)

一方イタリアでは、4月いっぱいまでは室内でのマスク着用義務などが続いていた。意外に思うかもしれないが、実はイタリア人はとても怖がりで慎重なところがあるのだ。そんなイタリアでも、5月1日からはかなり規制が緩められた。レストランやショップなどの室内でもマスク着用義務が解除され、グリーンパス提示義務もなくなった。公共交通機関、病院、学校などでのマスク着用は、引き続き義務付けられていた。

喉がイガイガして痛くなった

そんなある日、私はコロナに感染した。

マスクを持ったかどうか気にせずに、スーパーマーケットにも気軽に買い物へ行けるようになった5月初旬、身体は元気なのに突然喉の下のほう、気管のあたりがとてもイガイガして痛くなった。なんだろうと思っていると、翌朝38度の熱が出た。人に会う予定や仕事が詰まっていたので、念のため薬局へ行って抗原検査をした。今のイタリアでは、薬局へ行けば15ユーロで抗原検査が簡単に受けられる。

感染状況がひどかった頃は、ワクチンパスポートがない人は仕事へ行くにも数日おきに陰性証明が必要だったから、検査機関はどこもとても混み合っていた。私も予約を取ろうと電話をして、「2週間先」などと言われたことがあった。でも今は朝、電話予約をしてその日のうちにすぐできる。

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