本場バーバリー日本上陸、高額商品の勝算 三陽商会との契約が終了、独自展開へ

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トレンチコートの肝である襟の裏の縫製は、英国の職人が手掛ける

トーマス・バーバリーによって1856年に創業されたバーバリーは、第1次世界大戦中にトレンチコートを生み出す。以後、トレンチコートは、同社を象徴する商品だ。

職人技はそのトレンチコートの製造に遺憾なく発揮される。トレンチコートの肝である襟の裏の縫製は、英国の750人の職人が、1年かけて技術を習得した後に手縫いしている。裏地には「Made in England」のタグが付く。

中身の違いは価格の差にも表れる。バーバリー直営店で売られている標準タイプのトレンチコートは20万円台前半。一方、三陽が手掛けるものは、10万円台前半だ。

世界各地でのこうしたラグジュアリー商品への統一が奏功し近年の業績は好調だ。欧州、米国、アジアなど各地域で満遍なく成長し、前14年3月期の営業利益は、4億6000万ポンド(約828億円)と5期前の2.5倍に拡大。直近の四半期決算(14年10~12月)でも既存店売上高は前年同期比で8%伸びた。

そんなバーバリーにとって、日本は新たな成長が期待できる地だ。確かに長期にわたってバーバリー商品は存在していたが、三陽商会によるそれは、ラグジュアリーの一つ下のプレミアムブランドと位置づけられた。三陽商会の契約工場で製造され、生地なども異なる。

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