「猫を捨てる人」がフランスで激増した悲しい事情 コロナ禍で飼う人が増えたのは他国と一緒だが

✎ 1〜 ✎ 19 ✎ 20 ✎ 21 ✎ 最新
拡大
縮小

エマニュエル : でもいったいコロナ禍では人々はどうやってペットを購入していたと思う?それは、インターネットやペットショップでの購入が主となっている。

2021年に議会上院が2024年からペットショップでの犬と猫の販売を禁止する動物保護に関する法を可決した。インターネットでの犬、猫の販売も認定されたブリーダーと保護団体のみに許可されることとなる。

ペットの権利を守る役職の創設を要求

その理由として、ペットショップで販売される、または繁殖工場などで育つ子猫や子犬などの早急な離乳が、動物の社交性に悪い影響を与え、結果としてペットの遺棄につながると考えられている。そしてペットショップでの動物の衝動買いをなくすことも目的とされている。今回の法では犬と猫だけに言及され、ウサギやハムスターなど、その他の動物は含まれていない。

保護団体にとっては、今回のネット上での動物の販売に関する法は不十分だと考えられている。実際、ネット上にはいくつもの非認可のブリーダーによる販売募集があり、それらすべてを取り締まる事は難しいからだ。

興味深いのは、今回の大統領選挙において、SPAは候補者たちに動物の権利を保護する役職の創設を要求している。SPAが年に1万5000件も受けているような、動物虐待の通知の管理や、ペット遺棄の増加の問題を解決するための公的な交渉者としての役職である。

くみも、パリを散歩していて、ペットショップが町からすっかりなくなったことに気がついたんじゃないかな。日本でもこう言った動きは見られるの?

くみ : 道に面したペット専門店だけでなく、植物やガーデニング用品などを販売している大手のチェーン店のペットコーナーも、2年ほど前までは犬も猫もガラスケースに入っていて、子どもたちの目を釘付けにしていたのに1年ほど前に訪れたときには空になっていた。

次ページ保護団体が大統領候補に求めていること
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT