東証の市場再編で「上昇しそうな企業」はどこか 金融相場から業績相場移行へのきっかけを期待

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一方、東京証券取引所は1969年にTOPIX(東証株価指数)算出を始めたが、ちょうどダウ・ジョーンズ社も日経平均の算出をやめることになり、日経平均は消えることになった。

受け継がれた日経平均

しかし、週休2日になって、1カ月間の取引を表す代表的な短期指標である25日移動平均が、現実的な20日移動平均になるかと思いきや(実際、一時は相場解説で20日移動平均が主流になった)、結局は25日移動平均線に戻ったのと同じように、慣れ親しんだ指標で相場を判断したいという投資家や業界の意向で、1971年に日本短波放送(当時)が「NSB225種修正平均」として存続することになった。

新米営業マンだった筆者が当時のお客様と話すとき何と呼んだかあまり記憶にないが、「ダウ」か「旧ダウ」と言ったかと思う。1975年5月1日、日本経済新聞社がダウ・ジョーンズ社と名称や算出方式を独占使用する契約を結び、「日経ダウ平均株価」として正式に引き継ぎ、呼び名も「日経平均」に固まった。

当時はしばらく「旧ダウ」という名称が使われていたように、今後は「旧1部銘柄」などと、注釈が付くのだろうか。それとも、今回は当時のような名称変更ではなく、市場移行を伴う「名実ともの変更」なので、一気に新市場体制になじむのか。そして株式相場にどのように影響するのか。非常に興味深い局面だ。

今回の改革に関して、東証側の狙いは「世界の投資家が使いやすく親しみやすい市場」を作ることだ。とくにプライム市場は「多様な機関投資家が安心して投資対象とすることができる潤沢な流動性」にその根拠を見い出す。

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