【産業天気図・自動車】円高とエコカー補助金失効の反動減のダブルパンチ、10年度秋冬は「雨」

予想天気
10年10月~11年3月 11年4月~9月

 自動車業界の景況感は、2010年10月~11年3月が「雨」、11年4月~9月は「曇り」となりそうだ。

10年度は上期(4月~9月期)と下期(10月~11年3月期)で状況が一変する。上期は各社が大幅な増益を達成。たとえばトヨタ自動車は前期上期1368億円の営業赤字から3231億円の黒字、日産自動車は3.5倍増益の3348億円となる想定。新興国を中心とした需要の回復と、リーマンショック後の緊急策でコスト削減が進んだことが主因だった。

一方で下期は一転して減益となる見通し。ひとつめの要因は急激な円高だ。下期の対ドル為替前提は、トヨタが82円、複数他社が80円を前提としており、通期ではトヨタで3200億円、日産1850億円、ホンダ1620億円のそれぞれ減益要因となる見通し。また単独については10年度通期でもトヨタやホンダなどは軒並み赤字の見通しで、年度の平均レート(84円程度)であっても自動車メーカーの多くは、輸出採算がマイナスになると見られる。それだけに、1ドル80円水準という急激な円高の影響は大きい。

もう一つの要因が、国内のエコカー補助金失効の反動減だ。10月の新車販売(登録車と軽自動車合計)は前年同月比23.2%減と大幅に落ち込んでいる。「11月に入って来場者数は増えおり、年明けには徐々に回復してくるのではないか」(志賀俊之・日産自動車COO)との声もあるが、当面国内販売は1~2割減を覚悟する必要がある。一方で新興国を始め海外は下期に入っても好調に推移しており、国内・先進国の低調を新興国がカバーする構図が明確になっている。

11年度前半も、円高と補助金失効後の反動減という2つの要因を引きずることになる。中でも最大の要因は、やはり為替水準がどこに落ち着くのか。数量自体は新興国を中心に全体では伸びると見られる。ただ今後は増産や販促強化に向けて、各社とも販売管理費の増が見込まれる。10年度上期の利益水準に戻るには相当の時間がかかりそうだ。
(並木 厚憲=東洋経済オンライン)

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