古事記を読みなおす 三浦佑之著
日本最古の歴史書『古事記』は、『日本書紀』とともに「記紀」と称され、律令国家の由緒を描く--。こうした理解には根本的な誤りがあると、古代文学や伝承文学の専門家である著者は言う。古代律令国家が文字によって叙述、編纂した日本書紀に対して、古事記は「語り」の世界であり、国家が求めた歴史とは一線を画したところに、その本文は存在し続けたのではないかと指摘する。
古事記では重要な部分を担う「出雲神話」が日本書紀に存在しないのはなぜか。そこに二つの歴史書を理解するカギがあると、古事記成立に関する自論を展開する。同時に、音声にこだわって出雲神話を読み解きながら、伝承文学としての古事記の魅力を語る。
ちくま新書 924円
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