だから今回は、商品化ビジネスや海外ビジネスなど個々の現場でビジネスをやっている責任者とは、じっくりビジネスプランを詰めて、それを集約して、社長室や役員と検討して方向性を作る、ということをやっていました。
みんなが笑顔でいられるために
塩野:そんな中から今はおひとりで、社長としてタツノコプロに入られた。どんな職場作りをされているんですか?
桑原:「世界のこどもたちに夢を」という吉田龍夫さんが創業時に掲げた大きなスローガンがあるので、これは絶対変えられないと思っています。そのためには、自分たちはやっぱり笑顔でいなきゃダメなんじゃないかなと。ちょっと青臭いんですけど、みんなが笑顔でいるために、自分に何ができるのかということを考えています。考えていますが、全くできてないですね。口で言うのは簡単ですけど、本当に難しい。
あとは「タツノコプロのキャラクター達を守って、育てること」これはタツノコプロの人間がやらないと、世界中の誰もやってくれない事ですからね。
塩野:国分寺市の「ホッチ」や別府市の「べっぴょん」など自治体や企業と連動したキャラクター開発も行っていますよね。『ガッチャマンクラウズ』のようなものがある一方でキャラクターものもある。バラエティがある会社ですよね。
桑原:理解すべき項目が多すぎて難しいですよ。当然、会社のマネジメントもやらなければならないわけですからね。でも、とにかく会社として、収益も何年にわたってきちんと出していますし、ビジネスの基盤もあるし、しっかりしているので、本当にあまり余計なこと言わないのがいいのかなと。問題提起があれば、みんなで話して決めていく。
ひとつ、真っ先に取り組んだことがあるんですけど。アニメの制作って制作の人間が自分で車を運転して、絵をデリバリーする、ピックアップという作業がある。だからアニメの募集って、運転免許が必要って書かれている場合が多いんですね。それをやめて、外部委託にした。感覚的にこれは違うだろ、って思ったんですね。すでに外部委託された他社の方にもアドバイスを頂いて、思ったより早く移行できました。
桑原:でも、画を描く作業自体をデジタルにしていくと、かなり合理化できると思いますね。
紙に書いたものをスキャンしてデジタルでデリバリーしても同じことなんですけど、紙を運ぶ作業がなくなれば、いろんな意味で制作工程がラクになる。今、取り組んでいるのは制作のデジタル化です。
塩野:『おはガッチャ』みたいなフラッシュアニメも増えてますもんね。
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