シャープの全盛期を支えた「独自性」とは?

イノベーターとの交流、そしてサムスンとの関係

撮影:尾形文繁

シャープの2014年9月中間期の最終損益は47億円。わずかな黒字ではあるが、4期ぶりに水面に浮上した。その背景にあるのは中小型パネルの好調だ。取引開始から日の浅い新興の中国メーカー向けのパネルが急伸。下期も、さらに伸びる見通しで、通期黒字化に向けてまい進しているところだ。

この躍進には、実は「シャープらしさ」がある。中国の新興メーカーとは、小米科技(シャオミ)をはじめとする創業から日の浅いベンチャー企業ばかり。本当に伸びるかどうかわからない地点から取引を開始したからこそ、のちの果実がある。同じことは、かつてもあった。

目の付け所がシャープ

「孫(正義)君を初めて知ったのは米国です。大学でコンピュータやパソコンの勉強会をやっていた彼に、偶然会ったんですわ。熱心な学生で、すぐに親しくなりました。そんなとき、テキサス・インスツルメンツが、翻訳機を出したんです。次の時代はこれや!と感じた。孫君もそうだったそうです。それからしばらくしてからです。技術本部長兼中央研究所長をしていた私の所へ、孫君のお父さんが公衆電話から連絡してきて「息子と一緒に会いたいと。翻訳ソフトを買ってくれないかとのことでした」

2年前の週刊東洋経済のインタビューで、こう語ったのは佐々木正元副社長。シャープは孫氏から、翻訳ソフトを1億円で買い取った。果敢に新規取引先を開拓していく"目の付け所"こそが、シャープの強みといえるだろう。

次ページ以降、そんな全盛期を支えた佐々木氏へのインタビューを再掲する。グローバル技術経営の最前線を歩んだ佐々木氏だからこそ語れるストーリーは、「日本ものづくりの全盛期」を知らない若手ビジネスパーソンにも、大いに参考になるはずだ。

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