ドワンゴ川上会長、「炎上は放置、謝らない」

「ネットが生んだ文化」、コピー、炎上、嫌儲

川上: どこかのプラットフォームに入るのだとしたら、実はプラットフォームの宣伝費を肩代わりさせられてるんですよ。誰もが知っているブランドが値段を下げていることによって。プラットフォームをもしコンテンツが握っていれば、価格を下げるはずはなく、むしろ上がるんですよ。だってユーザーの利便性が上がるんだから、今までよりいいものがあったら、値段を高くしたっておかしくないんです。

日経新聞の電子版も、初期の頃は散々言われましたけど、僕はあの値段が発表されたときには喝采を送りました。だって、電子版を欲しい人は高くても買いますよ、電子版のほうが便利だから。あれを高くするのは正解です。実際、それによって会員数を獲得できなかったかというと、むしろ逆です。結果的に今、日経さんはすごくいいポジションに立てましたよね。あれは電子版によって値段を下げなかったからですよ。

アナログレコードがCDになったときも、日本では値段が上がりましたよね。今まで彫刻でレコード盤を作っていたのが、CDでは印刷で済むようになったんですから、原価は下がっているわけです。それなのに価格を上げた。とくに日本において値段は上がりましたよね。海外では下がりましたけれども。それは要するに流通が強いのか、コンテンツを持っている側が強いのか、ということです。

僕が思うのは、複数の媒体が入っているような定額サイトに入るのは、やっぱり長期的に考えると、よくない。コンテンツ単体での定額制が最高です。バラ売りは最悪。バラ売りで、かつ単価を下げるのは最悪中の最悪です。

炎上しても絶対に謝らない

山田: 「コピー」の話から発展して、出版社にとって有意義な話が聞けました。ありがとうございます。

次は3つ目のキーワード、「炎上」です。われわれもある種の記事に関しては若干、炎上気味になることがある。一瞬、驚くのですが、しばらくすると、あっという間に静かになります。ほぼ1日、という感じです。

川上: 何もしない、というのはひとつの正しい対応方法です。何かをすると、いわゆる燃料追加という行為になってしまうことがあるんですね。みんな、火消しをしようとしてどんどん薪をくべてしまう。

しょっちゅう謝る会社って多いじゃないですか。でも絶対に謝らないほうがいい。もちろん、いろんなやり方がありますけど、うちは絶対に謝りません。たまに謝るとユーザーのほうがびっくりしますからね。それぐらいがいいと思います。

炎上について、多くの人は表面的なものだけを見ますが、その原因は、ネットの人たちの日ごろ持っている不満や鬱屈なんです。それに火が付いているだけです。何かの記事を見て、自分たちのことを書いているという具合に思って、炎上しているわけです。勝手に想像しているだけなんですね。そこをまず理解しないといけません。どういうものが炎上しやすいのか、だいたいパターンがあるわけですから。だからこそ、わからなかったら、何もしないほうがいいです。わからないときは何もしない。これが鉄則です。 

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