米スプリント、業績回復に課題山積

迫られるソフトバンクの"決断"

 11月3日、スプリントの業績回復への道がどれだけ険しいかは、かなりの程度明らかになった。写真はソフトバンクの孫社長、4日撮影(2014年 ロイター/Yuya Shino)

[ワシントン 4日 ロイター] - スプリント<S.N>の最高経営責任者(CEO)にマルセロ・クラウレ氏が2カ月前に就任した時、彼は米携帯電話3位企業の経営再建に向けた困難に直面した。実際に業績回復への道がどれだけ険しいかは3日、かなりの程度明らかになった。

米携帯電話4位のTモバイルUS<TMUS.N>との合併交渉が決裂した後でCEOに就任したクラウレ氏は、業界標準以下の通信ネットワークの更新を模索する中で、解約者の増加を止めるという課題に既に立ち向かっている。

その上で彼は今、財務状況の悪化も考慮に入れなければならなくなるだろう。スプリントは2014年通期の利益予想を従来の67億━69億ドルから58億━59億ドルに下方修正している。

スプリントは、ライバルのTモバイルに顧客を奪われる形で後払い制のポストペイド契約者が差し引き50万人減少した。

スプリントは年間コストの15億ドル削減と2000人の追加の人員削減を公約したが、対応は遅過ぎた。業績結果は親会社である日本のソフトバンク<9984.T>が業績予想の下方修正に踏み切らなければならなかったほど、悪い内容だった。

スプリントは全米で計画していた超高速通信網の整備を一部の都市に限定することも発表した。

クラウレCEOはロイターに対し「通信ネットワークに起きていることを見ると、かなり改善している。われわれはネットワーク全体の大々的な取り壊しと更新を行った。まるで一からスタートするようだ」と強調した。

それでも4日のスプリント株は一時、ソフトバンクが昨年7月に株式の大半を取得して以来の安値をつけた。

モフェット・ネーサンソンのアナリスト、クレイグ・モフェット氏は「昨日の決算は、まもなく利益率が改善に転じるとの見方にバケツ1杯の冷や水を浴びせた」と話した。

スプリントは、Tモバイルに対する買収提案が米規制当局の反対表明を受けて破談に終わった後、多くの課題に直面している。

「(ソフトバンクの)孫正義グループ代表は問題の規模を過小評価していた。彼は不意打ちを食らった」と、調査会社レコン・アナリティクスの通信分野担当アナリスト、ロジャー・エントナー氏は指摘した。

スプリントはAT&T<T.N>、ベライゾン<VZ.N>に対抗する試みとして、料金を値下げしたほか提供するデータ通信量を2倍に拡大した。しかし、1契約当たりの月間平均収入は60ドル超で、業界4位のTモバイルの50ドル未満に比べてはるかに高い。スプリントは他社と張り合うためにさらなる料金引き下げを迫られるとアナリストはみている。

S&PキャピタルIQのアナリスト、アンジェロ・ジノ氏は「まだ比較的時期は早いとはいえ、全体として投資家は恐らく新経営陣からもうちょっと何か出てくることを期待していた。現在の競争環境をみると、もはや短期から中期にかけてスプリントに対してそれほど大きな希望は存在しないようだ」と述べた。

(Marina Lopes記者)

*見出しを変えて再送します。

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