(証券業) 証券大手3社決算は野村が底力を見せつけ、大和VS日興では大和に軍配

野村、大和、日興の大手3社の2003年9月中間期業績は、野村の強さが際立つ形となった。大手3社を単独決算ベース(野村は国内営業1社、大和と日興は個人・中小法人向けと大法人向けの2社)で比較してみよう。
 野村証券は第1四半期(4~6月期)が海外で起債を引き受けた銘柄(高格付けの公社債等)を日本で顧客に販売し、手数料収入を堅調に伸ばした。第2四半期(7~9月期)は株式市況回復で、機関投資家相手の株式ブロック・バスケット売買と個人相手の株式委託売買の両方で収益を稼いだ。中小法人相手に仕組み債を販売する際、トレーディングを活発に行って利ざやを稼いだことも寄与した。これらにより、金融費用を除いた純営業収益は前年同期比35.6%も増え、2974億円となった。大幅増収にもかかわらず、販管費は前年同期比横ばいに抑えたため、営業利益は前年同期比で766億円強も増え1362億円だった。
 大和証券は株式委託売買手数料を4割弱も伸ばし、仕組み債も販売が好調だったことから、純営業収益は846億円(前年同期比32%増)、営業利益178億円(前年同期は7.6億円)と大幅増収増益となった。大法人向けの大和証券SMBCは株式トレーディグが大幅に増え、債券トレーディングの不調をカバーした。新規株式公開と既公開案件も着実に拾って、純営業収益は730億円で前年同期比37.2%増し、営業利益は197億円(同194%増)だった。
 大和の2社合算業績と野村を比較すると、純営業収益は大和2社でも野村の半分強で、営業利益は3割弱に過ぎない。これは利益貢献度が高いトレーディング益が、野村は純営業収益の58%を占めたのに対し、大和2社は同38%にとどまったことによる。
 一方、日興コーディアル証券は純営業収益が42%増の854億円、営業利益が224億円(前年同期30億円)と絶好調だった。が、前期まで収益柱だった大法人向けの日興シティグループ証券が、主要証券会社で唯一の減収となった。日興シティグループは、前期第2四半期に計上した上場投信関連のトレーディング益が今期剥落したことが響いた。純営業収益は35%減の497億円、営業利益は63億円と前年同期比78%もの減少となった。
 大和と日興を純営業収益で比較すると、個人・中小向けは日興コーディアルが個別の日本株だけではなく、投資信託の販売手数料でも稼いだことで、大和を8億円弱上回り逆転(日興ビーンズを加えると差は35億円に拡大)した。一方で大法人向けは大和SMBC
が、新規公開引受で業界首位の実績を上げるなど健闘し、日興シティグループを233億
円上回った。営業利益の面では大法人向けの開きによって、大和2社合算が375億円に対し、日興2社が287億円と大和に軍配が上がった。ただ、今期下期は日興シティグループがエクイティ関連中心に案件獲得で挽回、2社の業績の開きは縮まるとみる。
 いずれにせよ、株式と債券相場が激しく動いた市場環境で、野村証券がトレーディング部門と営業部門が相乗効果を発揮し、収益力で他の大手2社を大きく引き離す実力を誇示した。
【古庄英一記者】


(株)東洋経済新報社 電子メディア編集部

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