日立は今期も最高益、絶好調に死角は?

過度な依存避ける地道なリスク回避策が奏功

東原敏昭社長は営業利益率早期二ケタを目指したいとしている(写真は1月の社長就任会見)

日立製作所の快進撃が続いている。

10月29日に発表した2014年第中間期(4~9月)決算では、売上高が前年同期比0.6%増の4兆4967億円(従来予想は4兆4500億円)。営業利益は同23.4%増の2140億円(同1850億円)となった。同社は第1四半期時点でも期初計画を引き上げているので、ここまでで2度上方修正をしたことになる。

業績の牽引役となっているのが社会・産業システム部門で、部門営業益は前年同期の32億円から182億円へと急拡大した。中国で活況なビル建設に伴い昇降機(エレベーター)が好調なことや、英国での鉄道事業の受注分が上乗せされた。加えて、電子装置・システム部門での半導体製造装置や医用分析装置事業も好調だった。

 巨額最終赤字からの転換

全部門を通じてコスト削減効果も大きかった。同社はグループ横断で経費低減を目指す「日立スマートトランスフォーメーションプロジェクト(スマトラ)」に取り組んでおり、第2四半期累計で、480億円のコスト低減を実現。主要9部門のうち一部プロジェクトの追加費用で赤字が拡大した電力システム、中国始めアジアでの需要低迷で減益となった建設機械を除く7部門で営業損益が前年同期よりも改善した。

日立は09年3月期に製造業で過去最大となる7873億円の最終赤字に陥った後、社会インフラ事業の強化に動いた一方、テレビやHDDといった赤字事業のリストラを敢行。価格競争に陥りやすい消費者向けビジネスから比較的安定したBtoB事業へ軸足を移したことが今のところは奏功している。

加えて、同社では10に上る各部門の売上高、営業利益の構成比が大きく変わらない。現状、もっとも営業利益貢献度の高い情報・通信システム部門の構成比は24%程度にとどまっている。つまり、業績を圧倒的に引っ張る「ホームランバッター」はいなくとも、着実にヒットを打つバッターがそろっている状態とも言える。これであれば仮に一つの事業が大きく低迷しても、ほかの事業で補えることもそう難しくないだろう。

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