楽天グループも導入、復活するビットコイン 取引所破綻から半年、新たな「基軸通貨」になるのか?

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あらためてその価値が見直されれば、1200ドルをはるかに超えることもあるかもしれない。アメリカの有名な投資家であるティム・ドレイパー氏は「ビットコインの価格は1万ドルに到達する」ともみている。依然として投機の色が強いことには間違いないが、市場参加者やeコマースでの活用がさらに増えてくれば、価格もしだいに安定していくと筆者はみている。

1990年代のネットベンチャーよりも熱い注目

ビットコインへの注目が再び集まる中、現在、続々とビットコイン関連のベンチャーが立ち上がり、ベンチャーキャピタルの投資も急増している。

2014年9月末時点の投資額は330億円以上と推測されるが、これは1995年時点でのインターネットベンチャーへの投資額を上回っている。ビットコインベンチャーの領域は財布、取引所、ATM、金融サービス、データ分析、マイニングなど多岐にわたるものがあり、これから継続して投資額が上昇することも予想される。

筆者はこの流れを肌で感じるべく、9月の後半にニューヨーク、サンフランシスコ、シリコンバレーに所在する数々のビットコインベンチャーの経営者と会ってきた。

ビットコインATMの制作現場の視察や、「ビットコイン2.0」と呼ばれる仮想通貨の創業者たちとの面談を通じて肌で感じたことは、アメリカのベンチャー関連で最もホットな分野のひとつであるということだ。

ビットコインを中心に話を展開してきたが、ビットコインはあくまで仮想通貨の一種であり、ビットコインの爆発的成功をみて、次々と新しい仮想通貨が作られている。

2014年10月時点でのビットコインの時価総額は約5000億円だが、リップル、ライトコインなど、ほかの仮想通貨もすでに100億円以上の時価総額がついている。筆者は9月末にリップルのサンフランシスコオフィスも訪れたが、ちょうどアメリカの銀行2行との提携が決まった直後だった。

すでに、市場価値がつく仮想通貨は100種類以上に上るとされ、それらの総時価総額は5500億円以上とされる。中にはビットコイン2.0と呼ばれるビットコインの規格をさらに改良したものも存在する。たとえ今後、ビットコインの規格がうまく行かなくても、仮想通貨の発展は継続していくと考えるのが妥当だろう。

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