携帯ゲームバブル!で終わらない、SNSから沸き出すネット「新」金脈

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それに対し、今回のブームは以前と比べものにならないほど“堅実”だ。確かにディー・エヌ・エー、グリーは株式市場から高い評価を受けてはいる。しかし、それは好調な業績に連動しているものだ。

ソーシャルゲームの基本は無料だが、定額コースもあるうえ、自分の分身が着飾るためのアバター課金、釣り竿や武器などを購入するアイテム課金など、さまざまな収入源がある。両社ともこうした課金収入で大きな利益を稼いでおり、その利益率は非常に高い。

 

 

そして、この収益力を武器に、積極的に新しい展開を図ることが可能だ。携帯からパソコンへのゲームの移植、2000万人を超える会員を活用した新しいソーシャルビジネスの創造、さらに海外展開、という具合に、積極的な成長戦略を描くことができる。

同じ大手SNSでも、ゲームから距離を置くミクシィの収益力は大きく見劣りするが、その経営手法は“堅実”そのもの。海外SNSとの提携などにより、中長期的な成長に向けた布石を打つ。こうした多様なプレーヤーが育っていることからも、第3次ブームが短期ではじけることはないだろう。

交友関係をネットの上で管理し、写真やビデオ、購買履歴など膨大なライフログ(個人の生活履歴)を蓄積していくのがSNSの根幹。この膨大な情報「ソーシャルグラフ」を活用したネットビジネスが勃興する動きは、何も日本特有のものではない。最も盛んなのがSNS先進国の米国だ。

04年創業のフェイスブックは今年7月にアクティブユーザー(月に1度以上ログインするユーザー)が世界で5億人を突破。圧倒的なSNSプラットフォームに上り詰めた。07年9月に自社プラットフォームを外部事業者へ開放したため、フェイスブック会員を対象にしたアプリは55万本以上ある。「ソーシャル」を軸とする独自の生態系が育ってきた。

 

 

 

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