アフターコロナの人気留学先が「韓国」になる必然 第4次を迎えた「韓流ブーム」と留学者数の相関関係

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そして、現在は「第4次韓流ブーム」とも呼ばれる状況です。ステイホームの中、Netflixで配信された「愛の不時着」は大人気となり、現在は「イカゲーム」が人気です。音楽ではBTSをはじめとするK-POPが世界的に浸透しています。

インスタグラムの影響も大きいようで、ハッシュタグでは、「#韓国コスメ」や「#韓国ファッション」などは100万超えのトレンドタグになっています。韓国コスメ「イニスフリー」のハッシュタグ「#イニスフリー」や「#韓国スキンケアブランド」などの具体的なワードも上位に入っています。また「#オルチャン」(美少女や美男子という意味の俗語)や「#オルチャンメイク」なども人気です。

ミドルシニア世代は、韓国について『冬のソナタ』のような印象を持っている人が多いかもしれないですが、Z世代のイメージは、お洒落でカラフル、イキイキとしているという、世代でまったく異なる印象があるようです。

アフターコロナに増す韓国留学の存在感

学生にとっては、韓国はいわば留学に行ってみたい憧れの地であり、新しい韓国留学の気運を高めているといえるでしょう。これは、グローバルな市場でのマーケティングに成功し続けている韓国ブランドが留学マーケットまで浸透していると言えると思います。

前出の平田氏は、日本からの韓国留学は大学生から徐々に高校生ターゲットにシフトしていくと言います。ただ、日本の高校はオセアニアや北米などの国へは中長期の留学制度を導入しているところがあるものの、韓国に関しては、まだまだ教育旅行や短期研修がメイン。今後は日韓の教育機関が連携した教育制度の導入が鍵となりそうです。

関係者への取材から感じたのは、厳しい状況の中でも、コロナ前から継続している韓国留学マーケットの力強さでした。エンターテインメントの世界的成功に下支えされた韓国留学の存在感は、アフターコロナでさらに増すことでしょう。

文部科学省は2月4日、日本人学生の海外留学に関し、大学間交流協定等に基づく1年未満の留学プログラムの再開について周知しました。一つの明るいニュースと言えます。

今後も変化する国際教育を注視していきながら、1日も早く安心して留学できるような状況になることを願っております。

大川 彰一 留学ソムリエ 代表取締役

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おおかわ しょういち / Shoichi Okawa

日本認定留学カウンセラー協会幹事、TAFE Queensland駐日代表。1970年京都市生まれ。セールス&マーケティングに約10年間携わり、カナダに渡航。帰国後、留学カウンセラーとして4年間で約1000名以上の留学やワーキングホリデーに関わる。その後、米国の教育系NPOのアジア統括ディレクターとして約6年間、グローバル人材育成に尽力。海外インターンシップを大学の単位認定科目としての導入に成功、東北復興プロジェクト、アジアの国際協力プログラム開発にも携わる。現在は「留学ソムリエ®︎」として国際教育事業コンサルティングや留学の情報を発信。留学ソムリエの詳細はHPFacebookから。著書に『オトナ留学のススメ』(辰巳出版)。

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