アフターコロナの人気留学先が「韓国」になる必然 第4次を迎えた「韓流ブーム」と留学者数の相関関係

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2021年夏、メイドインジャパンのスニーカーを韓国マーケットに合わせてプロモーションする若者の姿がありました。若者たちは全国から参加した日本人の大学生で、実に流暢な韓国語でプレゼンテーションをしています。これは、大学生向けPBL(Project Based Learning、課題解決型)型研修の一コマです。

日本人の大学生が韓国語でプレゼンテーション(写真提供:SKYUS)

海外派遣留学が難しい状況だった2020年は、オンラインでのPBL型プロジェクトを導入する大学が増加しました。参加学生は、限られた期間の中で海外の企業や組織が抱える課題に対しての解決策に対してチームで取り組みます。

PBL型プロジェクトは一般的に英語でのプロジェクトが多く、韓国語のプログラムは非常に珍しいものです。プログラムの提供を行うSKYUSによると、同社では、もともと英語を使用した海外のPBL型プログラムを運営する中で、「韓国語のプログラムはないか」という問い合わせの多さから今回の実現に至ったということでした。

プログラムは、韓国語を勉強する日本人と日本語を勉強する韓国人とでチームを組んで企業の課題の解決にあたるというもの。思いのほか双方の国で語学レベルの高い学生が集まり、若い感性によるプレゼンテーションの質の高さに驚いたと言います。

韓国留学の年齢層が10代後半がメインに変化

ソウル市に本社がある日本人向け現地留学エージェント、株式会社SEKCでは、コロナ禍にもかかわらず韓国留学の動きが活発です。同社での2021年の韓国への留学者数は600人以上。コロナ前と比較して実に1.3〜1.5倍以上の伸びとなっているそうです(2021年12月時点)。留学業界全体が厳しい状況の中で、大幅に伸びているという点が驚きです。

日本支店長の中村智夏氏によると、韓国留学の参加者の年齢層については、近年の特徴として年齢が若くなっているということ。以前は最も多い年代は20代半ばくらいだったのが、最近は高校を卒業して間もない10代後半がメインへと変化したそうです。K-POPやファッション、コスメなど、トレンドに敏感なSNS世代が韓国留学の人気を支えている様子です。

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