普遍的な解ではなく多様性こそ尊重すべし--『カイシャ維新』を書いた冨山和彦氏(経営共創基盤(IGPI)CEO)に聞く

普遍的な解ではなく多様性こそ尊重すべし--『カイシャ維新』を書いた冨山和彦氏(経営共創基盤(IGPI)CEO)に聞く

日本経済の「失われた10年」が「失われた20年」に延び、なおトンネルの出口は見えない。何を間違えているのか。数多くの企業の経営改革や成長支援に携わった実体験から見えてきた、その「解」とは。

--今は「普遍的な解を失った時代」ですか。

私たちは20世紀的な「正解」を失った時代に生きている。日本経済が1990年代から直面してきた問題は日本の後進性に起因するのではなく、むしろ少子高齢化、潜在成長率の低下、慢性的な過剰流動性といった「課題」先進性にあることが明らかだからだ。

--日本の「失われた20年」はなぜ起きたのでしょう?

その普遍的な解を一生懸命探そうとした。しかし日本的普遍ではダメだ、となって、アングロサクソン的普遍に走った。それもなじめない。アングロサクソン的なルールの中で、日本は必ずしも有利ではない。普遍的なルールは、それを生み出した社会にとって有利なものだからだ。

この二つの普遍、アングロサクソン的普遍と日本的普遍を経済や経営に引き付けて言えば、米英をモデルとした新自由主義や株主主権論的な解と、ケインズ的財政出動を通じた再分配や終身年功制の「カイシャ」回帰という伝統的な解であり、その間で、揺らいできた20年だった。

--その結果、若い人の雇用の問題は深刻です。

日本的普遍も、共同体的な普遍の力が衰えてくると、共同体が人を吸収する力がなくなってくる。とりわけバブル以降は、若い人をその共同体に入れないような、共同体の自己防衛論理が優先する。中高年1人のクビを切れば若い人を3人雇えるが、それをやらない。ぎりぎりまで引っ張る。自己防衛の結果、世代的な格差を作ると同時に、バブル以降に出てきたロストジェネレーション(「失われた世代」)、その人たちはまるまる排除される。ネット世論が極端に振れるのは、ネット世論の担い手はその人たちだからだ。

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