「イスラム国」との戦いは第3次イラク戦争だ

畑中美樹・インスペックス特別顧問に聞く(上)

トルコとの国境に近いシリアのコバニでは攻防戦が続く(ロイター/アフロ)
シリアとイラクで活動する過激派「イスラム国」への米国主導の空爆拡大によって中東情勢は混迷の度を増している。戦闘は長期化が必至とされ、イスラム国による報復テロ多発も危惧される。今後の中東情勢の行方と原油価格やビジネスへの影響、テロから身を守る対処法などについて、中東情勢を長年ウォッチし、中東全域に豊富な人脈を持つ畑中美樹・インスペックス特別顧問に聞いた。インスペックスは中東・北アフリカ治安情勢の助言や情報提供を行う情報・コンサルティング会社。

フセイン時代の共和国防衛隊やバース党員が共闘

――「イスラム国」とはどのような組織か。

イスラム国の全容はまだはっきりとはわかっていないが、イスラム国の元メンバーのインタビューなどが先進国の専門機関を通じて行われており、多少輪郭がわかってきている。

一般のマスメディアでは、アルカイダと同様、イスラム原理主義の過激な国際テロ組織ととらえられているが、実態はそうではなく、本当に「国」をつくろうとしている人たちの集まりである。イラク戦争で米国に敗れたサダム・フセイン政権下の旧軍人や、当時イラクの与党であったバース党の党員らが中核としてイスラム国を支えている。

6月に(イラク北部の都市)モスルを制圧した時などの軍事作戦を見ていると、どう考えても素人による作戦ではない。モスル制圧の後、首都バグダッドに進軍するが、落とせないとなると今度は北部のクルド人地域を攻撃。その過程で油田や製油所、ダムといった、国家にとってのライフライン、収入源になる施設をしっかり押さえている。

こうした組織的、計画的な動きは、単なるテロリスト、過激派集団が行っているのではなく、軍事的経験のある旧軍人や政権を担ってきたバース党員たちがバックにいることを示している。

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