「なんなんですかね、この名前は」(夏野氏)。
9月1日、損害保険業界の大手である損害保険ジャパンと日本興亜損害保険が合併、誕生した新会社の名前は「損害保険ジャパン日本興亜」だ。今回夏野氏が指摘しているのは、この“ただくっつけただけ”感が漂うネーミングについてである。
そもそも保険を含む金融業界は規制の厳しい産業。パイが限られ、成長が頭打ちになれば、さらなる規模の拡大を目指して合併に乗り出すのは自然な流れだ。
まったくカルチャーの違う組織同士がくっつく時代
保険より先に“大合併”の流れが起きたのが銀行業界。みずほ銀行は富士銀行、第一勧業銀行、日本興業銀行という3つの銀行が合併し発足した銀行だ。一方の三井住友銀行は三井グループのさくら銀行と住友グループの住友銀行が2001年に合併したもので、「昔の両者のカルチャーを知っている人間からすると考えられない組み合わせだ」(夏野氏)。
そんな合併の流れが加速しているのが、損害保険業界。そもそも今回合併した2社も、損保ジャパンが安田火災海上保険と日産火災海上保険、日本興亜が 興亜火災海上保険と日本火災海上保険が合併して出来た会社だ。今回のさらなる合併で、損害保険ジャパン日本興亜は東京海上日動、三井住友海上火災を抜き、正味収入保険料で首位に浮上する(ホールディングス比較では3位)。
しかし、「いくら競争がない、製品差別化もさほどない業界とはいえ、(ユーザーにわかりにくい社名をつけるのは)ちょっと経営者がなにも考えてなさ過ぎなのではないか」(夏野氏)。
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