大陸内の統合を加速させ「アフリカ合衆国」目指す--ジャン・ピン アフリカ連合委員長

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 アフリカには今10億人の市場が存在している。それが25年には15億人、50年には20億人になると言われる。アフリカは、巨大市場としての重要性が増してきているのだ。

--中国の存在価値がアフリカで高まっています。中国のアフリカ政策を、どのように見ていますか。

中国は急速に成長している国だ。そのため経済に必要な原材料を投入しなければならない。需要を満たしていくには、最も1次産品の埋蔵量が多いアフリカとの関係を強化し、天然資源を買わねばならない。需要が急増することで価格も高騰する。われわれにとってもよいことだ。

日本には直接取引・直接援助の促進を

--日本とアフリカが経済面で関係強化していくための課題は。

日本はアフリカが巨大市場であることを随分前から認識している。トヨタ、日産、スズキ、いすゞなど、日本車はアフリカ中に走っている。また家電も、ソニーやパナソニックなどの製品が普及している。アフリカ大陸で(日本製品への)消費意欲は高まっている。

ただ一つ問題があるとしたなら、日本のメーカーはアフリカと直接取引していないことだ。この点が中国と異なる。日本企業はたとえば、フランスの会社を通じて、フランス語圏のアフリカ諸国に自動車を販売する。または、イギリスに行って製造・販売拠点を見つけ、アフリカの英語圏諸国に売る。

フランスのメーカーは日本車を売るのと同時に、フランスのクルマも売る。これは公平な競争ではない。やはり日本も、直接アフリカ大陸に進出して、アフリカ人と直接取引すべきだ。アフリカの販社を使えば事が足りる。

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