巨人パナソニックの焦り、三洋電機・パナ電工の完全子会社化を急いだわけ 

巨人パナソニックの焦り、三洋電機・パナ電工の完全子会社化を急いだわけ 

創業以来、最大規模の買収だ。パナソニックは、最大8184億円を投じて三洋電機とパナソニック電工(以下、三洋と電工)を同時に完全子会社化する。23日から2子会社への公開買い付け(TOB)を開始。応募がなかった株は株式交換で取得し、2011年4月をメドに手続きを完了させる方針だ。「SANYO」ロゴは原則廃止し、「パナソニック」へのブランド統一を進めるなどグループ経営を一体化。エナジー(太陽電池や2次電池、燃料電池)など成長分野の事業展開を、さらに加速させていく。

完全子会社化の計画は、04年に電工を、09年に三洋を子会社化した当初から存在していた。だが、実施時期は当面先になると見込んでいた。「今後3年間は電工や三洋との資本関係はこのまま」と大坪文雄・パナソニック社長が発言したのが今年5月のこと。それから3カ月足らずの突然の翻意。何がパナソニックを急がせたのか。

財務よりスピード優先

6月25日の株主総会を前に、大坪社長を取り巻く環境は厳しさを増していた。

一つは、5月に発表した3カ年新中期計画が株式市場の評価を得なかったことだ。「具体策が伴ってないと評判が悪かった」(外資系証券会社の電機担当アナリスト)。デジタル家電偏重から脱却する方針を打ち出したはいいが、実際の計画値はテレビなどに依拠。新事業に掲げたエナジー事業の売上高計画は13年3月期の最終年度でも8500億円程度で、09年度のテレビ事業売上高(1兆円)を下回る。5月の新中計発表前は1300円台だった株価は、翌月には1100円台へじりじりと下落していった。

加えて、三洋・電工とのシナジー創出が遅々としていたことも不満の種だった。三洋を買収した大きな狙いに、リチウムイオン電池で世界首位を誇る三洋の技術と、自社電池技術との融合があった。しかし三洋にとって虎の子の2次電池技術は、親会社にも開示したくはない。三洋電機の元幹部は最近までの社内のやり取りをこう明かす。「パナソニックとシナジーの話が出た途端、電池担当はすごいけんまくで否定し出した。シナジーは必要ない。別々にやるんだ、とね」。

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