フェイスブック超えか?アリババ奇跡の物語

中国に「アメリカンドリーム」を持ち帰った男

ソフトバンク孫社長にも信頼されるアリババのジャック・マーの素顔とは?(写真:ロイター/アフロ)

フェイスブック超えか――。

ニューヨーク証券取引所で近くIPO(新規株式公開)することになった中国最大のネット通販企業、アリババが脚光を浴びている。調達額はフェイスブックを超える240億ドルとも予想され、アメリカ史上最大のIPOになるとも言われている。時価総額はなんと1500億ドルを超えると予想され、業界周辺は騒然となっている。

そのアリババを15年前に創業したジャック・マーは、「それふうの経歴があったわけでもなく、金持ちの父親や伯父がいたわけでもない」と語っている。マーの前職は、大学の英語講師。とてもインターネットのアントレプレナーというタイプではなかったのだ。

しかし、創業の日に妻と17人の仲間を集めたマーは、皆に言った。「アメリカのシリコンバレーには、賢いやつらがたくさんいる。けれども、ここにいる僕たちの頭脳を集めれば、やつらには決して負けないはずだ」。そこにいた彼らが出した6万ドルが、創業資金だった。

「中国のスモールビジネスを助ける」という信念

中国に無数にある小さなビジネスを助ける。それがアリババのビジネスモデルだ。家内工業や数人の社員しかいない極小企業も、自分たちの製品を、中国、いや世界の全土に卸売りして販路を広げ、そして収入を得る。それを可能にしたのだ。

マーは言っていた。

「彼らのビジネスを効率化するのではない。そんなことはもう彼らのほうがよく知っている。そうではなくて、金儲けできるようにするんだ」

とてもわかりやすく、そして正直なこのアプローチのおかげで、アリババはどんどん利用者を拡大し、アリババのおかげで地方の「小さな商売人」たちも世界を相手にビジネスをした。アパレルから産業部品、家庭用品、美容品まで、中国の生産力を隅から隅まで結集したような品がそろった。中国経済が成長し、人々の気持ちが高揚するのと歩調を合わせられたのも、アリババの幸運だった。

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