4代目までは僕が直接育てる[上] 孫正義・ソフトバンク社長が激白60分!

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うまくバトンをつないでいくには、1人の人間にバトンを渡さなくてもいい組織構造にしなければいけない。そこで、一つのブランド、一つのビジネスモデルに頼らなくていいグループ構造として、「群戦略」を目指した。

100メートルを走るためにつける筋肉のつけ方と、40キロメートル走るマラソンの筋肉のつけ方はまったく違う。ソフトバンクグループは、300年のイメージを持って、そこから逆算して考える経営です。まだ会社を始めて間もなくて、社員が50人、100人、あるいは1000人ぐらいのときに、そんな話をしたって、誰も真剣に聞こうとすることすらなかったと思うんですね。だけど、僕自身は至ってまじめにそう思っていたわけで、30年に1回ぐらいはそのことを説明してもいいでしょう。

宇宙というものは中央集権構造ではない

――社数5000社、時価総額200兆円と、具体的な数値で30年後の目標を示しました。

ゴールのイメージは、具体的な形で、期限と高さを数値で定める必要がある。これは左脳の側です。一方で右脳の側は、強烈にライフスタイルなどのイメージを描く。そこから逆算するようにすれば、どこに布石を打っていくのがいちばんいいのかが、変わってくる。

――群戦略を思い描く右脳イメージは宇宙ですか。

宇宙ですね。宇宙の引力と遠心力は、まさにバランスしていると思う。太陽系というのは、真ん中にいちばん大きい質量の太陽が1個あって、その周りをぐるぐる回っていますが、恒星が多く集まった銀河系になると、そうではない。でも、銀河系といえども、真ん中のほうに比較的大きな質量がある。でも、銀河系とほかの系を全部足したのが宇宙であって、宇宙全体を見れば、中央集権的な構造ではない。個々の星を見ればしょっちゅう生まれたり死んだりがあるが、全体では成長を続けていくことができる。

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