事故が増加する電動キックボードの新たな活路 アウトドアを通して別視点から楽しさを提案

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販売モデルの仕様(SWALLOW)

電動キックボードのハイエンドモデルとして開発されたゼロ9は、定格出力600Wの高トルクモーターと624Whの大容量バッテリーを搭載し、最高速度40km/h、航続距離40kmを発揮する。バッテリーの充電は、専用の充電アダプターを用いて家庭用コンセントから可能。金氏によれば、「フル充電にかかる電気代はおよそ15円と、ガソリン車と比べて圧倒的に経済的」だという。

アウトドアやレジャーでの利用を提案

電動キックボードは、原付1種と同じなので、公道で出せる速度は、道路交通法で30km/hまでと決まっているが、出力に余裕があるため、急な坂道などでもストレスなく走ることができる。これはアウトドアでも同じで、キャンプ場などのアップダウンが多い道路を移動する場合も、スイスイと楽に走行することが可能だ。また、サスペンションを備えるため、ある程度の未舗装路であれば、十分に安定して走ることもできる。

折りたたんでハリアーに載せた状態(筆者撮影)

コンパクトに折りたたむことができる点も、ゼロ9がアウトドアなどのレジャーにも使いやすい要素のひとつだ。車体サイズは、全長1100mm×全幅200mm×全高1130mmだが、折りたたむと全高は390mmとなる。そのため、クルマのラゲッジスペースなどに収納することが可能だ。実際、今回の同社ブースでは、折りたたんだゼロ9をトヨタ「ハリアー」の後部荷室に収納しているデモ展示を実施。車両重量も19.6kgと比較的軽量のため、大人であれば積み下ろしもさほど苦労しないだろう。

電動キックボードといえば、一般的には都市部で利用するイメージが強い。だが、スワロー代表の金氏によれば、「最近は(ゼロ9を)アウトドアのレジャーで使うことを前提に購入するユーザーも増えてきた」という。ゼロ9は発売して約2年。最近は、徐々に製品が認知されてきたこともあり、月に50台程度を販売するという。同社では、今回のようなアウトドア系イベントにブース出展した理由を、「新たな電動キックボードの魅力を伝えることで、需要をより伸ばしたい」ためだという。

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