ワールドカップで50型級大画面テレビが激売れの中国、その意外なワケは…

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 ワールドカップ開幕というのに32インチ、37インチテレビが売れたとか、3Dテレビが売れたとか、そういった話を聞かないのもビジネスニーズが背景ならば納得だ。

ビッグイベントの直前期でも、家庭向けにテレビが売れないことは、若者の家庭におけるテレビ離れを裏付ける結果となった。インターネットカフェや動画サイトの隆盛でもわかるように、インターネットを利用する若者が、テレビを利用した番組視聴やDVD視聴ではなく、パソコンとインターネットを利用したコンテンツ視聴を積極的にするようになった。居間のテレビを置き換えるような大画面のパソコンないしは、DVDプレーヤーを置き換える省スペースパソコンは登場しているが、普及しているとはいいがたい。

また、現在中国全土の都市部住民の多くが、いまだに続く不動産バブルの中で、共産主義色の強く残る50平方メートル前後の集合住宅から、100~150平方メートルのマンションに、われ先にと移転している。


 
 前世代の小さな住宅では、リビングとダイニングが近接していて食事をしながらテレビを見る家族のだんらんもあったが、今どきの住宅は20~30平方メートルの巨大な居間が当たり前だ。一家で食事をしながらテレビを見ることは、到底無理になってしまった。
 
 若者は食後にテレビを見ることなく、個人用パソコンに走る傾向が強い。テレビを見る中高年の人々は若者のように新しいモノに貪欲ではないので、積極的にテレビを買い替えることもない。
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